巨人・澤村 孤独の再出発 飲酒トラブルで“中大ライン”断絶寸前

2019年05月18日 13時00分

1イニングをピシャリと抑え、ドヤ顔の澤村

 マイナスからの再出発だ。巨人・澤村拓一投手(31)が17日、中日戦(ナゴヤドーム)で6番手として登板。9回の1イニングを三者凡退に抑え、981日ぶりとなるセーブを挙げた。4月中旬に都内で飲酒トラブルを起こし、ナインからの信頼は完全に失墜。阿部を筆頭とする“中大ライン”も、もはや断絶寸前に陥っているという…。

 最大のハイライトは4―1とリードを3点に広げた9回に訪れた。三塁ベンチから背番号15が勢いよく飛び出し、場内に「澤村」の名前がアナウンスされると、どよめきとG党からの「澤村コール」が巻き起こる。声援にも後押しされ、代打・友永を150キロ直球で二ゴロ、続く代打・堂上はフォークで空振り三振に仕留め、最後は大島も遊ゴロに料理。危なげなく2016年9月8日の阪神戦(甲子園)以来となるセーブを挙げた。

 試合後、澤村は「気持ち的に先発のようにと思って入ったんですけど、ちょっと力んだかなと思っています」と振り返り「任されたところで仕事をするだけ。僕はチームのためにやるだけなんで。どこのポジションであろうと、チームのために自分のできる唯一のことは腕を振るだけなんで」と力を込めた。

 配置転換に次ぐ配置転換で、数日前まで先発調整していた。チーム事情からリリーフとして出場選手登録された直後の大役とあって、宮本投手総合コーチは「今日上がってきたばかりで、彼に対して申し訳ない形になった」と頭を下げた。

 ただ、信頼回復へはほんの一歩を踏み出したにすぎない。今月上旬に発覚した澤村自身の泥酔トラブルで、チーム内に吹き荒れる逆風は強まるばかり。被害者側との話し合いは解決済みで、球団からは厳重注意も受けた。それでも以前にも飲酒絡みの騒動などを起こしてきただけに、何かと気にかけてきた“直系”の先輩たちも愛想を尽かしてしまっているようだ。

 チームスタッフは「選手の中で、何とか澤村の面倒を見てあげようとする人がいるなら、中大の先輩の(阿部)慎之助とカメ(亀井)くらい。だけど、これまでも散々迷惑をかけてきたし、さすがにもうかばい切れないでしょう。後ろ盾はいない。澤村は自分一人の力で這い上がるしかないですよ」と語った。紆余曲折を経てチームの勝利に貢献したとはいえ、ナインとの絆を取り戻すまでには果てしない道のりが待ち受ける。

 澤村の配置転換と一軍昇格、9回での起用を決めた原監督は「そういう役割をできるという中で一員になってもらっているわけですから」と評す一方で「私が今日1試合で語ることより、皆さんが評論していただくというところでいいんじゃないでしょうか」と多くは語らなかった。文字通りの、裸一貫からの再スタート。今後の野球人生をどう歩むのかは澤村自身にかかっている。