終わってみれば完敗だった。阪神は17日の広島との同率2位対決(甲子園)を2―10で落とし、3位に後退した。1点リードで迎えた8回に逆転を許し、9回には救援陣の乱調で一挙7点を失い試合を決められた。

 中でもバツが悪かったのはジェフリー・マルテ内野手(27)だ。5回に中前打で3戦連続安打をマークし、6回には一死満塁の好機で3試合連続打点となる逆転打を放ってヒーローになりかけたが、8回のピンチで野間の強烈なゴロをはじく守備のミス(記録は内野安打)をして事態は一転。逆転負けのきっかけをつくってしまい「(適時打は)試合に負けたので価値はない。次勝てるようにやっていきたい」と意気消沈だった。

 もともと矢野阪神は対話重視で、清水ヘッドコーチもマルテの守備については「個人攻撃とかはない。あそこはみんなで守り抜くことが大事」と不問に付した。本社サイドも「福留、糸井も体力的に夏になればしんどい時期が来る。そこでカバーできるのはマルテしかいない。マルテが爆発的に打つようになることが優勝への条件になる」(阪神電鉄幹部)と今季のキーマンに期待しているほどで、首脳陣内でもマルテに対して「あまりいじり過ぎて本人を混乱させないようにしよう」とあえて指導をセーブする方針を掲げている。

 打率は2割2分6厘ながら、最近3試合で10打数4安打3打点1本塁打と調子は上がってきた。なんとか期待に応えたいところだ。