紆余曲折あった元守護神が危なげない投球を見せた。巨人・澤村拓一投手(31)が17日、中日戦(ナゴヤドーム)で3点リードの9回からマウンドに立った。キッチリと三者凡退で締め、2016年9月8日の阪神戦(甲子園)以来、981日ぶりとなるセーブをマーク。チームも4—1で勝利し、連敗を4で止めた。

 敵地で9回に入る直前、三塁側ベンチから澤村がマウンドへ向かうと球場は大きなどよめきに包まれた。それも無理はない。澤村はこの日から一軍登録されたばかり。しかも飲酒トラブルが発覚し、球団側から厳重注意を受けた直後という背景もあった。

 それでも右腕は150キロを超えるストレートも冴えわたって中日打線を三ゴロ、空振り三振、遊ゴロでピシャリ。試合後は「ちょっと力んでましたし、結果的に3人で抑えられたんで良かったと思います」。

 今季は当初、先発へ配置転換されたものの4月6日のDeNA戦(横浜スタジアム)で4回途中4失点と振るわず二軍降格。一軍再昇格となり、チーム事情でリリーフへ再々転向となったが「僕はチームのためにやるだけなんで。それがどこのポジションであろうと自分のできる唯一のことは腕を振るだけ」と謙虚な言葉を並べた。