期待の高卒4年目野手がチームを救った。日本ハムの平沼翔太内野手(21)が16日の楽天戦(東京ドーム)に「9番・三塁」で先発出場し、先制打を含むマルチ安打の活躍で勝利に貢献した。

 見せ場は両軍無得点で迎えた7回一死三塁の絶好機で訪れた。初球の直球をとらえて打球は右翼フェンス直撃の適時二塁打。「(感触は)悪くなかったですが、まだまだ力が足りませんでした。筋トレします(笑い)」と振り返った一打は、あと一歩でプロ初本塁打という当たりだった。この日は母・美佳さんも応援に訪れており、殊勲打が一足遅れた母の日のプレゼントにもなった。

 平沼といえば敦賀気比時代、2015年のセンバツで「4番・エース」として活躍し、福井県勢初の甲子園優勝へと導いた。同年のドラフト4位で日本ハム入りし、野手に転向。走・攻・守バランスの取れた選手として首脳陣の期待も大きく、今季は4月中旬から一軍に定着した。

 成長著しい21歳はチーム随一の歌唱力の高さでも知られている。一緒に行くことが多い後輩の郡は「沼さんの歌唱力はプロレベル。どんなジャンルの歌でもうまく歌うんです」と太鼓判を押す。平沼いわく「『AAA』とかを歌うことが多いですが、とにかくいろいろ歌います。昔の歌も好きで、プリプリとかも好きです!」と世代、ジャンルは問わないとのこと。「歌うことがとにかく好きなんですよ。どこでも歌っちゃうので、実家にいるときはカラオケに行かずに風呂場で熱唱してますよ」とも明かした。

 先日訪れたカラオケの歌唱採点では「99点」を記録するなど、その歌唱力は折り紙つき。郡には音程の取り方など技術指導も行い、そのおかげで郡の歌唱力もめきめき上達したという。「郡もうまくなりましたよ。僕に言わせればまだまだですけどね(笑い)」と話す平沼の姿は、まさに“歌のお兄さん”。聞けば聞くほど平沼の生歌唱を聴いてみたくなるが「絶対嫌です! それは恥ずかしいです(笑い)」と断固として拒否。とはいえ、平沼の美声を求めるファンの声が多ければ、オフのファンフェスティバルで披露する機会が生まれるかもしれない。