阪神が12日の中日戦(甲子園)に2―5で敗れ、6カードぶりの負け越し。貯金1となり、広島に並ばれ3位タイとなった。先発の才木が5回5失点でKO、打線はプロ初先発の清水に再三、好機をつくりながらも1本が出ず苦戦を強いられた。

 今季はすでに巨人・高橋、広島・床田、DeNA・大貫と“初もの”に黒星を喫しており、またしても…の敗戦劇。矢野監督は「悔しい。(点が)取れそうなとこで取れなかった。流れをこっちに持って来れなかった。才木? 小さくならずに、もっと大胆にいってほしかった」と苦言を呈したが、それ以上にチーム内で心配されているのが新人王候補・近本光司外野手(24)の状態だ。

 ある首脳陣は「気になるのは近本の今後のコンディション。ウチは近本の調子に掛かっている部分はある。彼が打ったからこそ、いい流れを呼んで勝ってきた。背中の張りがあったりと当然疲れもあるのは分かってるが、調子を落とすとなるとチーム全体として痛い」と懸念している。

 近本はこの日、リーグトップに並ぶ今季11個目の盗塁を決め、1安打を放ったが、最高で3割4分あった打率は2割9分5厘(12日現在)まで下降。かつての勢いが鳴りを潜めているのは確かだ。別の球団関係者も「ウチが勝ってきたのも近本と梅野の貢献が大きかった。梅野も打撃の状態が落ちてきたし、この2人が揃って打てなくなると苦しい」と異口同音に言う。

 期待薄だった「外れ外れのドラフト1位」から今やチームに欠かせない存在となった近本。「(今日は)もう少しチャンスで打てたら良かった」と殊勝なところは相変わらずだが、ここからが勝負だ。