中日が危機的状況だ。10日の阪神戦で3―7と惨敗し、借金は今季最多の5まで膨らんだ。今季2度目の先発に臨んだ又吉はプロ最短の2回5失点KOで試合をブチ壊した。追い打ちをかけるように6日の広島戦でプロ初先発し、6回1失点と好投した7年目の福谷が左腰椎椎間板ヘルニアのため出場選手登録を抹消された。福谷が登板予定だった12日の阪神戦には2017年夏の甲子園で花咲徳栄の優勝投手となった清水達也(19)のプロ初先発が決定的だ。

 ところが、清水は高校時代から主にリリーフを担当し、先発経験はほとんどない。今季も二軍戦10試合に登板して先発はわずか2回のみ。前回5日のソフトバンク戦(タマスタ筑後)で6回1/3を投げたのが最長だ。

 この日から一軍に合流した清水は「自分の中の迷いも不安も消して、自信を持って腕がちぎれるぐらい全力でいきたい。甲子園は自分の庭だと思って頑張ります」と意気込んでいるが、チーム関係者は「清水を先発転向させるにしても、もう少し二軍で経験させてからの方がいいのでは。ドタバタで先発させて本当に大丈夫なのか」と危惧している。

 開幕投手を務めた笠原が不整脈の疑いで離脱したのを筆頭に小笠原、藤嶋は故障中、ベテランの吉見、山井も不振で二軍暮らしと先発陣は崩壊状態だ。与田監督は「それにしても故障者が多い。チームとしても、会社としても考えないといけない。ただ、現場はいるメンバーで戦います」と必死で前を向くが、高卒2年目右腕には何とも荷が重い役目を負わせることになった。