あからさまにイライラするのは、いかがなものなのか――。開幕2連勝中だった中日の新助っ人左腕エンニー・ロメロ投手(28)が2日の巨人戦(東京ドーム)で、来日初の1試合3被弾で試合をぶち壊し、5回6失点KOで来日初黒星を喫した。

 異変が起きたのは3点リードで迎えた4回だ。二死走者なしからゲレーロに来日初被弾すると、マウンド上で右ヒザを突いてガックリ。5回には先頭の炭谷にソロを浴びると左手で左太ももをパーンと叩いて悔しがった。その後、二死一、二塁で岡本の打球は左飛と思われたが、東京ドームの天井に直撃し、三塁の定位置付近にポトリと落ちる同点打となり、手にしかかっていた勝利投手の権利がスルリと逃げた。

 これでイライラが頂点に達したのか、続く陽岱鋼に初球の144キロ直球を左看板直撃の勝ち越し3ランを浴びた際は打球の行方も見ずに、思いっ切りグラブを地面に叩きつけて怒りを爆発させた。その行為について「別にホームランを打たれたからじゃない。捕手のサインに、首を振って違う球を投げた自分の責任。あそこに投げたらいくら速くても打たれる。甘く入ったのが悔しかった」と弁明した。

 阿波野投手コーチは「相手を侮辱することでもないし、自分が打たれた悔しさを出しただけで悪いことじゃないと思う」と擁護したが、チーム関係者からは“短気”なロメロに対して「普段は温厚な性格だけど、マウンドに上がるとカッカしてとにかく入れ込み過ぎちゃう。来日して初めて一発を浴びて完全に冷静さを失っていた。あれだけショックを受けた態度を露骨に出すと、相手にナメられてしまう。無表情で淡々と投げられるようになった方がいい」と指摘する声もあった。

 投球の約70%を占めるほど、ロメロはとにかく直球を投げたがる。過去には24球連続で直球を投げたことがあり、この日も初回から2回にかけて13球連続で投げるシーンがあった。勝ち星を重ねていくには、早急な対策が必要かもしれない。