阪神がナイターで行われた平成最後の試合となった30日の広島戦(甲子園)に8―3で勝ち、今季2度目の3連勝。最大6あった借金を1まで減らし、5割復帰に王手をかけた。近本の11試合連続安打となる適時三塁打など、11安打の猛攻で快勝した矢野監督は「平成最後に勝って終われた。令和で元号が変わっても、いいスタートが切れるようにしたい。歴史に残るような場所でオレも監督として戦わせてもらっているし、区切りの中でまた頑張っていきたい」と“新元号”への並々ならぬ決意を語った。

 令和を迎え、巨人と同じ「伝統球団」である阪神の役割は大きい。この日、テレビ解説の仕事でやってきた“ミスタータイガース”こと、掛布雅之オーナー付シニアエグゼクティブアドバイザー(63)は「阪神にとって平成から令和に変わる元年の今季は特に重要。優勝すれば歴史に残る一年になるだけではない。昨年最下位だけに、いいきっかけにしたいし、できないと翌年も苦しくなる。どこのチームもこうした節目の年は目の色を変えて勝とうとやってくるから頑張らないといけない」と緊急提言。

 さらに「令和2年は東京五輪の年。阪神の選手も元年で活躍することが大事になる。大山ら若い選手の力も伸びているし、令和でいい野球を見せていくべきだ」とゲキを飛ばした。

 平成の前半は最下位の連続で「暗黒時代」とも呼ばれた阪神。だからこそ新時代突入は最初が肝心――。昭和を代表する大物OBからの「令和の虎」に向けた提言に応えたいところだ。