巨人が29日のDeNA戦(東京ドーム)に3―5で逆転負け。目まぐるしいシーソーゲームの末、同一カード3連勝を逃した。10連敗中だったDeNAは「ホッと一息」というところだが、巨人サイドはもくろみが外れて歯ぎしりだ。

 というのも試合前の巨人サイドからは「今日は戦意を喪失するぐらいにコテンパンにしないと」という声が上がるほど、ここでとにかくDeNAを叩いておきたかったから。昨季の巨人はDeNAに9勝15敗1分けと大きく負け越しており、苦手意識を吹き飛ばしたいところでもあった。

 実際、この日の原采配にも、1点を追う5回無死満塁からの代打攻勢など“何が何でも勝ちにいく”という姿勢が見えた。いきなり投入した切り札・阿部は空振り三振に倒れたが、大城、石川と続けた代打攻勢により、押し出し死球と内野ゴロの併殺崩れの間に逆転に成功。続く1番・坂本勇の痛烈なピッチャー返しの適時打で3点をもぎ取った。

 試合中盤で3人連続の代打を送ったことについて原監督は「数少ないチャンスになるだろうなと、勝負にいったということですね」。続く6回からは阿部を岡本に代わって今季初の一塁で起用すると、岡本を三塁へ回し、ビヤヌエバも今季2度目の二塁守備に就かせた。指揮官は「あそこ(6回以降)で守りに入ることはチームにとってマイナスだと思った。(阿部)慎之助を残していきましたけどね」と説明した。

 しかし、1点リードで8回からマウンドに上がった4番手・宮国が石川に2ランを浴びるなど3失点の大誤算。同一カード3連勝を逃した巨人は、これで今季の対DeNAは3勝3敗のイーブンとなったが、弱り目のベイを叩き損ねたこの日の1敗は、のちにどう響くか。