巨人・マシソン 不安ブルペン陣の救世主だ 復活決意への推進力

2019年04月27日 13時00分

ブルペンで投球をするマシソン

 助っ人右腕の“男気復帰”なるか――。難病を患い、大幅に調整が遅れていた巨人のスコット・マシソン投手(35)が26日、今年初めてフリー打撃に登板し、一軍復帰に向けて大きな一歩を踏み出した。不安定なブルペン勢を立て直す救世主としても期待される。来日8年目となる鉄腕にも完全復活しなければならない裏方スタッフへの並々ならぬ覚悟があった。

 鉄腕が復活のノロシを上げた。マシソンは室内練習場で行われた三軍の打撃練習に初登板。ダイナミックな投球フォームから力強く腕を振り、回復途上ながら最速146キロを計測した。40球を投げて安打性の当たりはゼロ。練習後には報道陣の取材に応じ「ここまで順調に来ている。できる限り早く二軍で復帰して、何とか自分の枠を勝ち取りたい」と力を込めた。

 調整に大きな狂いが生じたのは昨年11月。同8月に左ヒザのクリーニング手術を受けた後、感染症のエーリキア症を罹患し、一時は体重が93キロまで落ち込んだ。そこから10キロ以上戻し、来日できたのはキャンプ終了後の3月1日。地道にG球場へ通い、低下した筋力を回復させるためにウエートルームにこもり「自分の体に関しては、すごく納得した状態で運動ができている」と胸を張れるまでになった。

 その道のりは「引退」の文字が頭をよぎるほど過酷なものだった。「年明けのころは現実的にユニホームを着られないんじゃないかとも考えましたし、今ちゃんと投げられる状況になることも想像できない時期もあった。想像できなかったことが今できている」

 チーム事情からすれば、マシソンの早期復帰は切なる願いでもある。早くから方程式の構想に入っていた新守護神のクックと吉川光が続けざまに故障と不調で抹消。ここに実績、経験ともに十分の右腕が戻ってくれば頼もしいことこの上ない。

 マシソンは「(ファームで5月の)2週目ぐらいに実戦復帰するつもりでいます」と青写真を描く。カムバックにかける思いは人一倍強い。2017年オフには1年契約が満了し、メジャー球団からのオファーも舞い込んだ。当時33歳のマシソンにとってメジャー復帰するか、巨人を選ぶかは悩ましい決断だった。それでも最終的に巨人以外からのオファーを蹴って残留。決め手となったのは何だったのか?

 本人に聞くと「チームへの愛着はあるし、仲間たちにも恵まれている。もちろん家族の意見もあった。2人の子供は日本で生まれ、日本への思いもある」とし、最大の理由をこう明かした。

「僕が米国にいた時はケガばっかりしていた。これまでのキャリアを築けたのはジャイアンツのトレーナー陣のおかげなんだ。米国とは違ってトレーナーの人数も多いし、本当に丁寧にケアしてくれる。だから僕はいいプレーをして恩返しがしたいんだ」

 巨人入団前は右ヒジに2度のトミー・ジョン(靱帯再建)手術を受けるなど何度も故障に泣かされた。しかし、Gトレーナーたちの献身的なサポートがあったからこそ、5年連続50試合以上登板を果たすまでになった。周囲への感謝を忘れないナイスガイは、どんな逆境からも這い上がってみせる。