広島・長野にズバリ聞いた 「春の不調説」

2019年04月25日 16時30分

2号ソロを放った長野(右)

 汚名返上なるか――。広島・長野久義外野手(34)が24日の中日戦(マツダ)で移籍後本拠地初アーチとなる2号ソロを放った。主砲・鈴木がコンディション不良から2戦連続で欠場する緊急事態に1本塁打2四球でチームの6連勝に貢献したが、それでも打率は2割に満たない。やはり“あの異名”は的を射ているのか。球界内でもささやかれる定説について、本人を直撃すると…。

 3回無死走者なしの第2打席。長野が高々と打ち上げた飛球は必死にジャンプした平田のグラブをかすめて右翼フェンス上部で弾み、真っ赤に染まったスタンドへ吸い込まれた。昨季10打数5安打2本塁打と好相性を誇った相手先発・山井の投じたボール気味の外角直球に逆らわずバットを合わせ、移籍後初の本拠地アーチ。待ちに待った千両役者の一発に「うおぉー!」と地響きのような大歓声が沸き起こった。

 広島は菊池涼と長野の2者連続アーチを含む序盤の3本塁打で流れをつかみ、先発・野村の7回無失点の好投もあって投打で竜を圧倒。緒方監督も「理想的な展開」とうなずく快勝だった。試合後には主砲・鈴木が2戦連続で欠場する緊急事態に「3番・右翼」で奮起した長野が報道陣に囲まれた。

 そこで飛び出したのが久々の注目ワードだ。本塁打を放った際は無風だったにもかかわらず、長野は「風です」と顔色を変えずに連発した。これは巨人時代から長野が好調時に照れ隠しで使う常套句。まだ打率1割9分4厘と低空飛行中だが、どういうことなのか?

 実は前日の試合後も、長野は本紙の直撃に気になる言葉を残していた。尋ねたのは多くの球界関係者が言う「春先の長野は打てない」という定説について。最近はファンの間でもスロースターターぶりを皮肉って“春長野”と呼ばれている。これをぶつけると、意外な反応が返ってきた。

「“春長野”ですか? まあ、ここ何年間かは実際に打っていないですからねえ」。不本意であろう異名をあっさり受け入れると、その後に不気味なほど力強い口調でこう続けた。「でもね、今年は例年以上にこの時期から体が動くんですよ。最近は暖かくなってきたし汗も出る。やっぱりホームが屋外球場なのがいいんでしょうね」

 夏場の長野は鬼だ。昨季も4月終了時は打率2割3分9厘と低調だったが、5月以降にじわじわと調子を上げ、8月は驚異の4割7分3厘。その後に故障離脱して規定打席には達しなかったが、2014年オフに右ヒザを手術して以降では最高の2割9分を記録した。「例年以上に体が動く」という言葉を信じれば、今年は“夏長野”が例年より早くやってくるということになる。

 欠場中の鈴木を思いやり、長野は「本人が一番悔しいと思うのでね。みんなで頑張って、勝てば救われると思いますから」とも言った。夏男の本領発揮が待たれる。