昨夏の甲子園を沸かせた日本ハムのドラフト1位・吉田輝星投手(18)の一軍デビューが見えてきた。ここまでイースタンで5試合、計13回を投げて防御率は4・15だが、21日のヤクルト戦(戸田)では先発し3回を投げて5安打1失点。課題とする制球面でも無四球と、着実な成長ぶりを見せている。次回先発は29日のイースタン・DeNA戦(鎌ケ谷)で4イニング以上を予定している。

 そんな中、一軍の投手事情が吉田輝にとっては追い風となりそう。ここまでの一軍の先発ローテは、上沢と有原の2本柱にロドリゲス、そしてオープナー起用なども絡めながら金子や加藤などが名を連ねている。その肝心のオープナー起用が結果を出せてないことに加え、頼みの救援陣も期待通りの活躍を残せていないことなどから、台所は苦しい。「いける投手から使っていく」と栗山監督が明言している通り、ファームで調整を続けている若手投手が付け入る隙は十分にある。

 現にチーム関係者は「試合展開不問で登板しなくてはいけない枠の救援投手の役割が、難しい中でも非常に重要になっている。ただ、実際に開幕から結果を残しているのは玉井くらい」と現状を分析。投手の消費が激しい現在のブルペン事情などを踏まえた上で「吉田輝や柿木などを含めた1、2年目の投手が駒として上がることも十分にある」と明かした。

 現状、二軍の先発陣では2年目左腕の北浦と宮台がイースタンでの前回登板で6回1失点と順調な調整ぶりを見せているため優先度は劣るが、チーム事情などから吉田輝らがブルペン要員として昇格する選択肢もある。

 気になる“Xデー”は5月12日の西武戦(札幌ドーム)あたりか。もちろんそれまでの二軍戦で結果を残すことが先決で、29日の二軍戦登板が注目される。