阪神は先発メッセンジャーが2回、小林に3ランを浴びていきなり劣勢に陥ると4回には遊撃で先発出場した北條がまさかの適時失策を連発。ドラフト3位・木浪のプロ初本塁打となる3ランで追い上げムードとなった直後の8回には4番手・桑原が炎上。ドラフト1位・近本の適時失策もあり、一挙6失点で試合を決められた。

 それでも悪夢は終わらず、8回には大山の二塁打の間に二塁走者の糸井が判断を誤り、本塁憤死するなどミスが多発しての自滅。糸井を2番に起用する大胆な策も不発に終わり、平成初となる32年ぶりの開幕からの巨人戦4戦4敗を喫した矢野監督は「反省してうまくなっていって改善するしかない。ああいうミスをすれば流れがこっちにこない」とガックリだ。

 走攻守すべてにいいところなしだったが、特に危機的状況なのが投手陣だ。開幕前にはリーグ屈指と言われたが、ここ4試合で36失点と投壊状態で防御率は12球団ワーストの4・58。この日炎上の桑原は二軍行きとなり「投手が頑張っていかないと…」と指揮官も頭を悩ませている。

 そんな中で待望されているのが、藤川球児投手(38)の一軍復帰だ。チーム関係者は「今は投手陣のまとめ役がいない。調子が上向きの時はいいが、状態が悪くなってきた時に厳しく言うことができる人が必要。それができるのが藤川。そういう意味でも一刻も早く戻ってきてもらいたい」と語気を強める。「リリーフをまとめている自負はある」(藤川)と自他ともに認める“もの言うリーダー”の存在が急務となっているのだ。

 現在二軍調整中で復帰登板が決まっていない藤川に頼らざるを得ないほどの緊急事態。どう乗り切るのか。