西武・山川穂高内野手(27)が14日のオリックス戦(メットライフ)で5カード連続となる6号3ランを放ち11―3の勝利に貢献した。

 攻守のキーマン・源田を欠いた西武は今季初めて試した「2番・秋山、3番・外崎」の打線組み換えが奏功。勝負どころとなった5回、6回の2イニングでは秋山、外崎、山川の3人で全7打点を稼ぎオリックスを沈めた。

 上昇気配を見せ始めた昨年のパ・リーグMVPは「狙っていました。打った瞬間に行ったなと思った。こういう本塁打をどんどん打てればいい」と納得の弾丸6号を振り返り、事前にその確信を与えてくれた山川にとっては重要な“第三者承認”についてこう語った。

「(キッカケは前日の)監督の助言です。(今日は)監督もそうですし、コーチもそうですけど、毎日見てくれている人の考えと実際に打席に入っているボクの考えが一致していた。だから『打てる』と思っていましたよ。それが(今までと)違っていた。逆にそれまでの12試合にそれがなかった。ラッキーな本塁打が多かった。ボクが考えていることがあって、毎日見ている人が感じていることがある。監督にはボクが聞いた。普段は聞かないです」(山川)

 47本塁打をマークした昨シーズンでは数回、一発を確信できる「ゾーン」の状態があったという山川。その「感覚」という水をつかむような繊細な作業には、常に考え抜いている自分の形が正しい状態にあるのか否かを確認する第三者の目による承認が欠かせない。

 試合前に辻監督の助言を受けた前日13日の試合後、西武室内練習場での打ち込みに同行していた赤田打撃コーチは「タイミングが取れていないこともそうでしたけど、何より(打席での)姿形がかっこ良くなかった」と証言。続けて「構えから背中が丸まっていたりして、打ちたい気持ちが勝っているからバットが先に出て行こうとするんだけど、それなら(ステップする左)足も一緒に出て行こうよという話はしました。そうしたらアグー(山川)も『それ、監督にも言われました』と。前日のゲームでも、だいぶ感じは良かったんで、室内(練習)を見たら『今日は打つ』と思っていた」と本人、監督、コーチの見解が合致しての6号3ランの裏側を解説した。

 赤田コーチは「サンペイ(中村)もそうですけど、ああいうタイプは一回感覚をつかんでしまえば、ドンドンドンと(本塁打が)出ていく。このままいってほしいんですけど」と今季初めて確変の入り口に立っていそうな山川の爆発に期待を寄せていた。