いよいよ開花するか。3年目で初の開幕投手を務めた中日・笠原祥太郎(24)が、12日の阪神戦(甲子園)で6回2安打1失点と好投。“三度目の正直”で今季初勝利を挙げた。130キロ前後ながら伸びのある直球に、宝刀のチェンジアップで緩急をつけ、5回まで虎打線を無安打と翻弄。チームを今季初の連勝で4日以来の勝率5割に導き「ここぞという時にチェンジアップを低めに決められたのが良かった」と胸を張った。

 昨季6勝で片鱗は見せていたが、今季から自信を持ってチェンジアップを投げ込めているのは広島のエース・大瀬良のおかげでもある。昨年11月の日米野球で侍ジャパンに初選出された際、一緒にメンバー入りしていた大瀬良から根掘り葉掘りアドバイスをもらったという。「いろんな変化球だったり、先発の調整方法とか、いっぱい聞けて、いろいろ引き出しになった」。特に心強かったのは「あのチェンジアップはすごい武器になる。ウチの野手はみんなやっかいだと言っている」との“証言”だった。

 リーグ3連覇中の赤ヘル打線が警戒していることを知った笠原は「すごく自信になった。いろいろ投げ方を試したけど、やっぱり自分のチェンジアップのままでいこうと思った」と明かす。

 この日は今季最長の6回を投げたが「もう少し長いイニングを投げられるように、無駄なボールをなくしていきたい」と自らの課題も分かっている。広島打線からお墨付きをもらった宝刀チェンジアップを引っさげ、今後も先発ローテーションの軸としてチームの勝利に貢献するつもりだ。