阪神が早くも“危険水域”だ。12日の中日戦は5回まで無安打と打線に元気がなく4―9で敗れて今季2度目の3連敗。借金は今季最多の3にまで膨らんだ。先発のメッセンジャーが6回6失点でKO。スタンドのファンから「帰れ!」などのヤジが飛び交う中、終盤に新人・近本、糸原らの連続適時打で何とか4点を返したが、頼みの救援陣が炎上し、あっけなくジ・エンドだ。

 矢野燿大監督(50)は「どうしても追う展開になっている。早く流れを自分らで呼び戻さないと投げてる方も投球自体が苦しくなる」と我慢も限界だった。この日は開幕から全試合スタメンで4番を務めてきた大山悠輔内野手(24)を4タコ後に「客観的に見て自分の打ちたい気持ちだけでいってる」と今季初めて途中交代させた。

 大山に限ったことではない。予想されていたとはいえ、打線はリーグ5位のチーム打率2割2分1厘、同ワーストの7本塁打と低調。そんな中、チーム内からは右ふくらはぎ痛で二軍調整中の新助っ人ジェフリー・マルテ内野手(27)に“緊急SOS”を求める声が上がっている。「こうなったらマルテに早く戻ってきてもらうしかない。ただでさえ、ウチは左打者が多く、右打者で一発が期待できる選手がいない。せっかくの新助っ人だし、ファンも何をしてるんだと思っているはず」(球団関係者)

 だが、オープン戦中に故障したマルテはランニングや室内練習場でのマシン打撃こそ再開させたが、いまだ二軍戦を含めた実戦復帰を果たせていない。矢野監督ら首脳陣が「完全に治るまでは絶対に無理をさせるな」と厳命しているせいか、本人もどこかノンビリしている。

 昨年、球団史上最高年俸3億4000万円で獲得したロサリオが大誤算に終わっただけに、マルテが二軍暮らしでも騒がれずに済んでいるが、チーム状況を考えれば戦列復帰は急務。“ミスタータイガース”こと掛布雅之氏の背番号31を受け継いだ新助っ人は「(状態は)良くなっているよ。早く戻れるように努力はしている」と言うが、救世主として期待するのは厳しそうだ。