阪神が11日のDeNA戦(甲子園)を2―5で落とし連敗を喫した。零封負けの前夜に続いて打線が貧打に陥り、巨人のドラフト1位・高橋に続きDeNAのドラフト3位・大貫晋一投手(25)にもプロ初白星を献上。矢野燿大監督(50)は「(新人は)毎年出てくるし、やられたら(初ものに弱いと)言われるのは仕方ない。次回やり返すしかない」と前を向いた。

 悔しい本拠地負け越しとなったが、そんななか現場のために尽くしているのが藤原崇起新オーナー(67)だ。9日の本拠地開幕に続き、球場を訪れた新総帥は借金生活ながらチームのここまでの戦いぶりを「よくやってくれている。星野さんも選手をヤル気にさせる言葉をお持ちだったが、矢野監督も選手をうまく盛り上げている」と高く評価。さらに「まだシーズンは始まったばかりですから。なるべくいいところを見つけて、それを書いていただければ…。温かい記事をお願いします」と報道陣への“異例のお願い”まで飛び出した。

 阪神の歴代オーナーといえばチームを愛するがゆえ、ときに現場に対しても手厳しいコメントを発することもあった。しかし、そこは本社の営業畑からの叩き上げで就任し現場のつらさを知る藤原オーナー。厳しい目線とは正反対で監督やナインを外野の圧力から守ろうと自らの頭を下げることもいとわない姿勢だ。

 実は本拠地開幕前日の8日にも甲子園球場を“電撃訪問”し、リニューアルされたメインビジョンを確認するとともに準備に奔走する職員を激励するなど、とにかく現場を盛り上げようとあの手この手を尽くしている。現場を支えようと奮闘する藤原オーナーに何とか現場も応えたいところだ。