プロ13年目の中日・福田永将内野手(30)が“スクランブル態勢”を整えている。

 10日の巨人戦に「5番・左翼」で3試合ぶりに先発出場し、1点を追う6回二死一塁で相手先発・メルセデスから左翼へ値千金の逆転2号2ランを放った。「狙い通りに高めの球を一発で仕留められた。うまく押し込むことができた」と、してやったりの表情を浮かべた。

 昨季は主に三塁を守り、初めて規定打席に到達したが、今季は高橋に奪われた悔しさがある。ここまで本調子でないアルモンテに代わって慣れない左翼や一塁、代打での途中出場が目立つ。それでも福田は出場機会を求めてどんなポジションでも務める覚悟で、入団当初の捕手での出場にまで備えている。

「与田監督も競争と言っているし、競争に勝つということは試合に出ることなんで、そのためならどこでもやるつもり。センターでも、ライトでも、急きょ、キャッチャーに行けと言われたってやりますよ。キャッチャーをやっていたのは自分の引き出しの一つだし、キャッチャーミットも常に持ち歩いている。隙あらばとは思っている」

 さらに「目標は常に4番」を掲げており「そこはブレない。いいバッティングをしていたら4番になれると思っているので、それができるようにやらないといけない。やっぱり自分はとにかく打たなければ始まらない。そうしないと守備のリスクを負ってでも試合に出してもらえない」と悲壮な決意を語る。

 昨季首位打者のビシエドから4番を奪取するためにも、今後も福田は打ちまくり、捕手に内外野の“三刀流”もいとわず、チームを勝利に導くつもりだ。