阪神が10日のDeNA戦(甲子園)を0―2で落とし、今季初の零封負けを喫した。DeNA・浜口に手も足も出ずにわずか1安打に抑えられる貧打ぶり。2度のけん制死を犯すなど前夜の劇的な逆転勝利から一転、いいところなしの敗戦となった。

 ただ、試合後の矢野燿大監督(50)は「あと一本出ていればまた流れが変わっていた。明日打つしかない」と淡々。さらに清水ヘッドコーチが「(2つのけん制死は)俺らが反省しなくちゃいけない。勉強不足です…」と話せば浜中打撃コーチも「こちらの責任。選手は四球を選んで粘ってくれた。俺らの対策不足だった…」と選手のせいにはせず、揃ってざんげした。

 そんな首脳陣の姿勢にチーム関係者から「負けた責任は選手にもあるはず。ただ、首脳陣が責任をかぶってくれることで、去年までとは違ってミスをした選手も切り替えやすい」との声が上がった。金本前政権の首脳陣は若手の奮起を促そうと、試合でミスした選手を厳しく糾弾することもあったが、これが選手には重圧となっていた面もあった。

 それが一転して矢野政権では“マイルド路線”に…。「とにかく頭ごなしに怒らないように徹底していこうと取り決めている。まずは選手の考えを聞いて『それならこうした方がいいんじゃないか』と提案することにしている」(あるコーチ)と、選手をのびのびプレーさせることを念頭に置いているという。首脳陣の必死の思いに選手は応えたいところだが、果たして…。