今季50本塁打を公言している西武・山川穂高内野手(27)が開幕10試合目となった9日の楽天戦(県営大宮)で5号3ランを放つも、6―7の惜敗に表情固く球場を後にした。

 一発の伏線は4回守備のタイムリーエラーにあった。楽天に1点を先取され、さらに無死満塁で打席に6番・銀次。ここで山川は銀次の放った一ゴロを併殺を焦りファンブルする適時失策。この回4安打1死球1失策で、楽天に一挙4点のビッグイニングをつくられるミスを犯した。

 しかし、これは昨年に何度もあった山川の“本塁打予兆パターン”。すぐさま、その裏の第2打席、無死一、二塁のチャンスに辛島の甘く入ったストレートを捉え左中間席に反撃の5号3ランを叩き込んだ。「ボクは守備ではチームを引っ張れない」と強く自覚する主砲が昨年、何度も見せてきた守備のミスを打席で取り返す今季最初の「エラー帳消し弾」だった。

 ただ、この直後、浅村の2号2ランなどで突き放された西武は5回二死一、二塁、7回無死一、二塁の好機でその山川が沈黙し楽天に1点差負け。

 辻監督は「(あと)1点足りないよ。(浅村の本塁打は)失投もいいとこ。初めてだし、攻め方はこれから分かってくる」と苦笑いで試合を総括。その上で「山川のエラーは想定内。そこで打つからすごい。大したものだよ」と4回の失策を責めることなく、今年も健在なその帳消し弾をたたえた。

 しかし、自分のミスがチームの敗戦につながり、その後2打席のチャンスで4番の仕事を果たせなかった山川は「今日は何もない。ああいうことがないように練習します」と守備のミスを一身に背負い言葉少なに球場を後にした。