中日は両軍合わせて24安打の乱打戦となった5日のヤクルト戦(神宮)に7―8で逆転負け。1038日ぶりの貯金生活を逃し、借金1に逆戻りした。開幕投手を務めた先発の笠原祥太郎(24)が5四球と乱れ、3点リードの3回に3失点で降板したのが誤算だった。

 与田監督は早々と先発に見切りをつけたことに「立ち直る兆しがなかった」と説明した。笠原は大役を任された前回3月29日のDeNA戦でも5回無失点ながら降板を命じられているが、これは期待の裏返しともっぱらだ。チーム関係者は「与田監督が非情のように見えるけど、将来のエース候補として笠原に厳しい育成ロードを歩ませようとしてのもの。開幕投手というアメを与えながらも、何とか先発ローテを1年間守るようにムチも使っている」と指揮官の思いを代弁する。

 期待に応えられなかった笠原は「僕が投げたいと言ったとしても、あの投球では僕の意見なんか通らない。僕がちゃんと投げていれば」と悔しがった。阿波野投手コーチも「これでがっかりさせるというより、ちょっと奮起させていきます」と話したように、3年目左腕をあの手この手で覚醒させていくようだ。