阪神・矢野監督ビタミントーク ベテランも若手も一丸!!

2019年03月30日 13時00分

初陣を劇的勝利で飾った矢野監督

 阪神が29日、ヤクルトとの開幕戦(京セラ)に延長11回、2―1のサヨナラ勝ち。矢野燿大監督(50)の初陣を勝利で飾った。ドラフト1位・近本光司外野手(24)がプロ初安打で打点をマークすれば、ベテランの鳥谷敬内野手(37)が代打で殊勲の三塁打。継投策もはまるなど采配がズバリだった。その裏にはナインを燃えさせる指揮官の“鼓舞ネタ”があった。

 劇的な幕切れは11回に訪れた。先頭の代打・鳥谷が右翼フェンス直撃の三塁打を放ってチャンスメーク。プロ16年目で初の開幕スタメン落ちという屈辱を味わったベテランの意地の一打によって球場のボルテージが最高潮に達すると、最後はヤクルト・石山の暴投によって歓喜の瞬間を迎えた。

 ヒーローとなった鳥谷は「もう一回ショートのポジションで頑張れるようにやっていきたい」とニッコリ。一方で「2番・中堅」でスタメン出場した近本は、球団では63年ぶりとなる新人の開幕打点となる適時三塁打を放つなど攻守で勝利に貢献した。

 ベテランと若手両方の活躍という、これ以上ない形で初勝利を手にした矢野監督は「俺は信じるしかできないが、みんなが頑張ってくれた。一生忘れられない1勝になった」と喜んだ。そんな新指揮官を支えるのは数々の“鼓舞ネタ”だ。

 キャンプイン前日のミーティングで披露したのは野球とはおよそ関係のない飛行機の生みの親であるライト兄弟の逸話。「飛行機を飛ばすために風のいい日を必死に探したり、こぐ力を付けようとトレーニングしたりととてつもない努力によって不可能を可能にした。俺たちも信じて突き進んでいけばできるはずだ!」。異例ともいえる20分以上のロングスピーチにナインはくぎ付けになったという。

 農薬なしでりんご作りに成功した木村秋則さんを紹介し映画化もされた著書「奇跡のリンゴ」を例に「アレルギーで苦しむ家族のために、失敗を繰り返してもあきらめずに試行錯誤しながら、すごいことを成し遂げた。誰かを喜ばせるために頑張ることは素晴らしい!」と力説するなど指揮官の頭は逸話の宝庫。そうした“矢野トーク”は「ライト兄弟と聞いて最初はビックリしましたが、すごくためになりました」(梅野)、「矢野監督の話はすごく面白い!」(糸井)とナインからも大好評だ。

 自身も努力を怠らない。昨年暮れには元阪神の監督で恩師でもある野村克也氏(83)の都内の自宅を単身で訪問。監督就任の報告とともに将となる上での助言を求めた。また「(選手に)話すことを探さないと」と漏らしながらも、キャンプには約30冊の本を持ち込み“朝読書”でネタ収集に努めた。

 さらには、祝辞をあらかじめ想定し前祝いをすることで願いを実現させるという“予祝”まで敢行。食事会の乾杯の音頭では「今年優勝しました! おめでとうございます!」と声を張り上げ、指揮官愛読の「前祝いの法則」(ひすいこたろう・大嶋啓介共著)はナインにも浸透している。

 あの手この手でナインを鼓舞する矢野監督。今後の手腕にも注目だ。

関連タグ: