セ覇者の広島が最高のムードで開幕を迎えた。開幕を翌日に控えた28日、緒方監督は「いよいよ始まるな、と。昨年のことは終わったこと。我々は新たな気持ちでリーグ優勝、そして日本一へ向けて、挑戦者として一試合、一試合ぶつかって戦っていく」と宣言した。

 相手が巨人となれば、注目は何といっても長野久義外野手(34)と丸のマッチアップ。長野はベンチスタートで代打待機が濃厚だが、たとえ試合で出番が巡ってこなくとも、チームへの効果はすでに絶大だ。

 開幕投手の大瀬良は「長野さんには巨人の各打者がどんなことを考えて打席へ入っているのかを聞かせていただきました。新しい視点を得られたし、マウンドに上がる前の気持ちや準備がこれまでとは全然違います」と感謝した。

 野手陣では先週の福岡遠征時に最年長の石原と夕食。その後は選手会長の会沢らと合流して熱く酒を酌み交わした。

 締めのラーメンまで共にした会沢は「もう何度か飲んでいるし、たわいのない話しかしませんよ」と笑いつつ「でも意外に大事なのはそういうところなのかな。チョーさんが自然と輪に加わってくれて、チームとしてまとまって最高の空気で開幕を迎えられたことはうれしい」。

 石原も「若手にもよく話をしてくれるし、もう何年も前からいる選手のよう。そこがチョーさんのすごいところ。でも彼が加わったことで本当の意味の変化が見えてくるのはこれからじゃないかな。それも楽しみですよね」と話す。

 この日は普段通りの表情で「明日から長いシーズンが始まります。苦しいこともあると思いますが、みんなで力を合わせて乗り越えて日本一になるために頑張ります」とコメントした長野。背番号5が開幕オーダーに名を連ねずとも、今のカープは巨人撃破の自信に満ちている。