注目のルーキーは、かつての大エースと同じ道を歩めるか――。日本ハムのドラフト1位・吉田輝星投手(18=金足農)が26日のイースタン・リーグのロッテ戦(浦和)の6回から登板し、2イニングを投げて3安打1死球で1失点ながら「しっかり直球を投げて打たれたら仕方ない」と割り切った投球で3三振を奪った。

 荒木二軍監督は今後の起用法について「イニングを少しずつ増やす方向に進められる。先発も考えている」と言及した。順調なら次回登板は4月3日の同・巨人戦(鎌ケ谷)となる。当面は週1ペースで二軍戦に登板する予定だが、かねて吉田輝を巡ってはチーム内で「彼の場合は期待度も経験もモノが違う。今年中に上がってくるのは間違いないでしょう」との声が絶えない。実際に荒木二軍監督も「一軍が欲しいと言ったら上げられるような状態にするだけ」と話している。

 参考になるのがOBで現カブスのダルビッシュ有(32)だろう。同じ高卒ドラ1位右腕で1年目の2005年は不祥事やケガの影響で出遅れたものの、5月5日のインボイス(西武)戦でデビュー。同14日の湘南(現DeNA)戦で初先発(4回2失点)し、4度目の登板となった同31日の楽天戦で初白星を完封で飾り、一軍切符を勝ち取っている。似たようなステップを踏んでいる吉田輝が夏前に一軍昇格を果たしても不思議ではない。

 公式戦初登板となった19日の同ヤクルト戦では2回2安打3四球1失点と精彩を欠いたが、本人も「前回は投げ方を悩みながらの登板だった。今日は直球でいい球がいった」と手応えを口にしたように確実に課題を克服している。球速に関しても「150キロは暖かくなってくれば出るかな」と予告しているほどだ。

 今季は6月7~9日に吉田輝が昨夏に輝いた甲子園で阪神との交流戦がある。栗山監督は「選手の力を最大限引き出せる舞台を用意するのもこっちの仕事」とも話しており、このまま順調に“ダルロード”を進めば聖地で一軍デビューなんてこともありそうだ。