右ヒザ炎症のため実戦から遠ざかっている阪神・糸井嘉男外野手(37)が14日、甲子園球場で行われた全体練習に参加。走塁練習などにも汗を流し「痛みもあったがだいぶ解消されてきた」と16日の西武戦(甲子園)出場へ向け意欲を示した。

 矢野監督は「全然問題ない。大丈夫。守備にも就かせる」と明言した上で、今季の基本的構想として3番に糸井、4番に大山、5番に福留を据える考えだ。「俺はキャッチャーだから、相手がどうやれば一番嫌かなと考えれば、足も含めて総合的に糸井が3番に入っているのが一番怖い」と指揮官の信頼も厚い虎の超人だが、弟分のオリックス・吉田正の活躍に大いに刺激を受けている。

 吉田正は10日の侍ジャパン強化試合・メキシコ戦で4番打者として起用され、先制の満塁弾も含む5打点の大活躍。「見てた見てた。あいつは今季異次元の数字を残すんじゃないか」と糸井は表情を一気にギラつかせる。

 ソフトバンクの柳田も含めオフに沖縄で合同自主トレを行い、豪華な“肉体美3兄弟”の競演は各方面で話題になった。もちろん“長男”として負けるわけにはいかない。

 優勝請負人として2016年オフに阪神にFA移籍するも、いまだチームを優勝へ導けないばかりか、昨季は屈辱の最下位に沈んだ。「相当悔しい思いをした。監督もメンバーも新しくなったのでやり返したい」と逆襲を固く誓う糸井も今季で38歳。だが全身からみなぎる覇気に衰えは一切見られない。弟分の活躍を自身の力に変え、今季こそ覇権奪回へチームを導く。