日本ハム・吉田輝星 先輩を驚かせた“肉食の夜”

2019年03月13日 16時30分

バットをへし折り併殺を完成させる吉田輝

 ゴールデンルーキーが、対外試合初登板で魅せた。日本ハムの吉田輝星投手(18=金足農)が12日、教育リーグ・楽天戦(鎌ケ谷)の7回に4番手で登板し、1回を1安打1三振1四球、無失点に抑える好投を見せた。二軍戦ながら堂々のデビュー。初陣前夜には先輩ナインらを驚かせる「ある出来事」があった。その内容とは――。

 全20球中、直球は18球。最速は146キロに達し、一死一、二塁では143キロで代打・橋本のバットをへし折り、二ゴロ併殺打に仕留めた。試合前に宣言した「(9日にデビューした)柿木は2つ三振を取っていたので、自分は3つ三振を取ります」との“予告3奪三振”こそ有言実行とはならなかったが1安打、1四球、1併殺で無失点は上々の内容。「緊張感は特になく、試合に入れたので良かった。プロの試合ってこんな感じなのかというのが分かったので、すごく楽しかった」と満足そうに振り返った。

 バッテリーを組んだ郡拓也捕手(20)は「マウンド上でかなり落ち着いていましたね。まだまだ全力で投げていないと思いますし、ここからさらに良くなってくると思います」と声を弾ませた。荒木二軍監督も「ルーキーらしさが見られた。あれだけファウルで粘られれば(プロは)簡単にはいかないんだなというのが感じられたはず」と及第点を与えた。

 持ち味の直球はもちろん、先頭打者を出しても落ち着いたマウンドさばきなどから、この日の登板でチーム内の評価をまた一つ上げた。グラウンド内だけではない。登板前夜には先輩選手から改めて見直される出来事が起こっていたという。

 舞台となったのは、千葉・鎌ケ谷市内の選手寮から程近いところにある焼き肉店。この日の試合でリードした郡に連れられ、1学年上の先輩投手・田中瑛と3人で食事に出かけた際のことだ。

 郡が当日昼ごろ、吉田輝に夜の予定を尋ねたところ「予定はありますよー」と、つれない返事。郡が「そうか…。何の予定があるの?」と再び問うと「郡さんとごはんに行く予定です」。夜の予定を聞かれた段階で「食事の誘いだ!」と瞬時に察知し、すかさずウイットに富んだ返答をした後輩には、郡も思わず「おお、そうか。じゃあ行こうか」と笑みがこぼれたという。

 そして焼き肉店では…上タン、カルビ、上ハラミを中心に3人で舌鼓を打ったのだが、支払いは最年長者(この3人の場合は郡)というのが球界のしきたり。それに気を使ったのか、ある程度食べたところで、まず吉田輝が「おなか一杯です~」と満腹をアピールしてきたという。

 郡の今季推定年俸は490万円。支出は少ない方が助かる。その後の吉田輝は「やっぱり腹減ってきました…」と切り出してドキッとさせつつも「締めのチョレギサラダ頼んでいいっすか?」と4人前分ほどが大皿に入ったサラダを注文。流し込むように“どか食い”した。自分の体のことを気にしただけかもしれないが、肉より安価なサラダを追加注文したところに、先輩の懐事情を気にかけた吉田輝の細かな気配りがうかがえる。

 もちろん会計後は元気に「ごちそうさまでした!」。一夜明けたこの日も「昨日はごちそうさまでした!」とあいさつした。社会人なら当たり前のことだが、これには郡も「そこは、やっぱりしっかりしていますよね」と頬を緩めた。

 機転が利き、周囲への気遣いもできる。そんなクレバーさはマウンドでも表れるというものだ。次回登板は19日のイースタン・リーグのヤクルト戦(鎌ケ谷)で、2イニングを予定している。今後の成長がますます楽しみだ。