阪神・藤浪晋太郎投手(24)が怒りの猛反論だ。右打者に対すると死球を連発してしまうなど、制球難に苦しんでいる右腕は2日のソフトバンク戦(ヤフオク)からスリークオーターに“モデルチェンジ”。開幕直前にもかかわらず、試行錯誤の日々を送っている。その試みには辛口のOB評論家や一部ファンから厳しい声が飛んでいるが、当の本人にも思うところがあるようで…。

 藤浪が11日、先発予定の12日の中日戦を控え、甲子園球場で練習した。キャッチボールの後はブルペンで調整。2日のソフトバンク戦では腕を少し下げて投げるなど、課題となっている制球難の克服を目指しているが、この試合では、2回無失点ながら右打者との対戦はなし。キャンプでの実戦2試合(日本ハム戦3回2失点、中日戦4回3失点)に比べれば上出来だったが、新フォームがはまったかどうかは、現時点では何とも言い切れない部分がある。

 しかも、この新フォームについては“外野”から厳しい声が上がっている。これまでの豪快なフォームから、制球重視のスタイルへの変更ということで、ネット裏のOB評論家や一部ファンから「せっかくの上背がもったいない」「身長を生かして上から投げるべき」などの異論が噴出。開幕前の大事な時期でのフォーム変更とあって「この時期にあんなに変えて大丈夫か」と、突貫工事に悲観的な声も出ている。

 これまでも藤浪が同じパターンで崩れるたび、こうした批判的な声が飛び交ったものだが、今回ばかりはさすがに黙っていられないところもあるのだろう。当の藤浪がそうした批判に、猛反論を展開したのだ。

 まずは「極端なオーバースローやアンダースローになるわけじゃない。自分の中ではそんなに変わらない」と話すと「(腕の位置を)上げる下げるということに自分としては重きを置いていない。今いい感覚で投げられるかどうか。今日は青柳さんみたいな(サイドスローの)投げ方でいきます。今日はメッセンジャーみたいな投げ方をします、というわけではないので。そんなに変わってますか?という感じです」と、打者を抑えるための微調整の範囲内であることを強調。

 さらに「真っすぐは上から出て、変化球は横から出る、スライダーはヒジが下がるという人もいますけど、投げやすいから出ているだけでその程度の話。腕の位置とかすごい言われますけど…」とも口にした。

 同僚もそんな藤浪を後押しする。スリークオーターで実績を残す桑原謙太朗投手(33)は「(自分の場合は)投げやすいところを探っていたら自然と今の形になっていた。本人と話をしたわけではないので分からないが、藤浪も単にそういうことじゃないか」と、フォーム大改造ではなく、あくまで自分に合った投げ方作りの一環であるとの見方を示した。

 また、開幕前の試行錯誤の段階で批判にさらされる状況には、チーム内から「それだけ注目されているということだが、いろいろ言われ過ぎだろう。あのフォームで156キロ出していたし、まだ開幕前。そっとしてあげてほしい」(球団幹部)との同情の声まで上がっている。

 藤浪はこの日「結果を出すしかない。それに尽きる」とも話した。そう、外野を黙らせるには結果を出すしかない。