ファンとの接触が原因で右肩を痛めた中日・松坂大輔投手(38)が“器の大きさ”を見せている。

 キャンプ中にファンと接触した際、右腕を引かれて右肩の炎症を起こし、キャンプを途中離脱。これで開幕は絶望的な状況となり、現在、ナゴヤ球場でリハビリやトレーニングに励んでいる。

 ところが、これまでに張本勲氏(78=評論家)がテレビ番組で「もともと悪かったんじゃないの」「握手とか引っ張られたぐらいでは悪くならないですよ」と発言したことなどもあり、故障の要因が本当にファンのせいなのか“疑惑”がネットを中心に広まることになってしまった。だが、当の松坂自身は何とも思っていないという。

 球団内ではこうした“疑惑”に不快感を示す声が出ている中で、当の本人である松坂の様子について親しい関係者は「全然気にしていないよ。普通なら、ひどいこと言うよね、となるところだけど、それはそれで、そういうことを言う人もいるよね、ぐらいにしか思っていない。今までにもっといろんなことがあったからね」と明かす。

 松坂はソフトバンク時代、調整過程で炎上したりするたびに「給料泥棒」「太り過ぎ」「引退しろ」などと猛バッシングを浴び続けてきた。当時の松坂は「いつものこと。ボクは一生叩かれ続けるんでしょうね」と達観していたというが、今回はそれに比べれば、小さなこと?なのかもしれない。

 3日、ナゴヤ球場の室内練習場で2日連続でネットスローを行った松坂。前日2日に故障後初めて3週間ぶりにボールを投げたが、この日は前日の倍の10メートルまで距離を延ばし、約50球を投げ込んだ。今後について「徐々に距離を延ばしていければいいと思う。その日の状態を確認しながら」と慎重な姿勢は崩さなかった。何かといろんな“疑惑”が巻き起こるが、それをまったく気にせず「平成の怪物」は肝っ玉のでかさを見せている。