原巨人の守護神候補がようやくベールを脱いだ。3日、ヤクルトとのオープン戦(東京ドーム)で、新助っ人のライアン・クック(31=前マリナーズ)が実戦初登板。最速153キロの直球と変化球でわずか7球で三者凡退に片付けた。

 原監督は「実戦初にしては非常に良かった」と及第点。チームは中継ぎ陣の整備に苦心しており、助っ人右腕の仕上がりにホッとひと安心だった。

 これまではメジャー流のスロー調整で、キャンプ中は打撃投手を4度務めただけ。クックは「初めての実戦なのでマウンドに立ち、ファンの前で投げられて良かった。(東京ドームは)メジャーに近いマウンドにしたとは聞いていたので全く問題なく投げやすかった」と振り返った。

 抑え候補だった澤村が実戦での不調が続き、先発に再転向。前夜のヤクルト戦(東京ドーム)で2本塁打を浴びた同じく抑え候補の鍬原もこの日から二軍に合流と、クック以外の守護神候補が次々に消えていた。

 ネット裏のセ球団のスコアラーは「直球は最速が155キロということだったけど、この時期に153キロなら暑くなる夏場には150キロ台後半まで伸びてくる。ツーシームが思ったより動くし、今日は得意だというチェンジアップを一球も使っていない。メジャーでの奪三振数も224イニングで233個と多いけど、どの球種で三振を奪っていたのかまだ分からない。右打者にツーシームを投げられるなら投球の幅も広がるし依然、謎は多い」と警戒を強めた。

 この日は昨年12月に結婚した同い年の妻リンジーさんがスタンドで見守った。「力になる」と話した右腕が原巨人の守護神に名乗りを上げた。