巨人・原監督の「広島怖くない」発言は本心なのか

2019年03月05日 11時00分

緒方監督(左)に視線を送る原監督。苦手意識はない

 鯉の呪縛を払拭できるのか。巨人が5日から宿敵・広島を相手に敵地マツダスタジアムでオープン戦2連戦に臨む。今季開幕カード3連戦の前哨戦で焦点となるのは、チームの面々に染み付いた“カープアレルギー”からの脱却だ。今季から新たにチームを預かる原辰徳監督(60)ら首脳陣に、巨人OBの鈴木康友氏が「対広島」の本音について直撃した。

 一語一句に力がこもっていた。3日、ヤクルトを相手に東京ドームで行われたオープン戦の試合前のこと。チーム練習中の原監督と打撃ケージ裏で久しぶりに顔を合わせ、話し込んだ。実はもともと、私にはどうしても聞いておきたいことがあった。「対広島」だ。

 リーグ3連覇を成し遂げている広島に、巨人は4年連続で負け越し“カモ”にされ続けている。特に2017年は7勝18敗で、昨季も7勝17敗1分け。同一カードでの2年連続2桁借金は、巨人史上初の屈辱となった。

 これだけ負けると選手たちにも嫌な印象が植え付けられてしまう。そんなこともあってか、原監督は就任直後から「(昔の広島が)強かったというイメージはまったくなかった」と公言し続けている。おそらく選手の苦手意識を払拭しようとしているのだろう。そこで「本当にカープに悪い印象はないんですか」とぶつけてみると…。原監督はサラリとこう答えた。

「全然そんなことないよ。俺自身は苦手意識もないし、臆することはない。選手にも話した。全然そんなことはないよ、とね」

 時折白い歯をのぞかせながら語るその口調は、決して選手を鼓舞するための“計算”で言っているわけではなく、本当に心から広島に苦手意識など感じていない、そんな印象を受けた。おそらくは本音なのだろう。

「自分が(監督を)やっていた時、対広島はそれほど脅威は感じていなかった。負けていた時も(自分は)いなかったし“部外者”だったからね。俺は気楽なところで見ていた。確かに守備を中心にしっかりしてきているチームだなと思ったよ。でもじゃあ、監督になったからといっても、そんなに意識はしていない」

 一体、この自信はどこから来るのだろうか。吉村打撃総合コーチは対広島について「これまでウチも結構打っている。ただ向こうは点を取るのがうまいという印象。足をうまく使ったり、長打をからめたり…。あとはあの(マツダスタジアムの)真っ赤に染まった球場の雰囲気ですかね。天然芝によるエラー絡みでランナーを許したりすると、やっぱりメンタルで追い込まれる。だから最終的に競り負けてしまうんです。でも打ち負けてはいないんですよ」と強調していた。

 打ち負けていないが、競り負けてしまう――。ここに原巨人が描く「打倒カープ」のヒントがある。だったら競り負けないぐらいに、とにかく打ち勝って初回からでもビッグイニングを作ればいい。今季の巨人の「打力」は昨季以上に、広島より上回っているのだから。

 キーポイントはやはり「2番・丸」となる。原監督は広島から補強した丸に対し、セオリー通りの2番打者という役割など求めていない。犠打などチームバッティングを命じるケースはほぼなく、普通に打たせていくはずだ。2番・丸もクリーンアップの延長線ととらえ、3番・坂本勇、4番・岡本、5番・ゲレーロで一気の波状攻撃でたたみかける。さらに下位打線でも捕手再転向の阿部や中島、あるいは長打だけでなく小技もうまい亀井あたりが待ち構えていたら、広島には脅威だろう。

 広島は徹底的に打ち負かす。原監督の自信は間違いなく本物だ。