ソフトバンク3年連続日本一へ気になる格差社会 出てくるか「意識高い系」支配下野手

2019年03月02日 16時30分

工藤監督(手前)も危機感を抱いている

【快打一閃・得津高宏】直近5年で4度の頂点に輝き、今季3年連続日本一を目指すのがソフトバンクだ。孫オーナーが目標に掲げるのは巨人のV9超えで、今や新たな常勝軍団としての地位を築き上げている。しかし、まったく不安がないというわけではない。キャンプを視察した本紙評論家の得津高宏氏が指摘した、ホークスが抱える問題点とは…。

 ソフトバンクのキャンプを見ていて感じたのが主力野手と控え野手の格差だ。柳田、内川、松田宣、中村晃、今宮、上林らを脅かす存在がいない。それこそ若手が主力をリスペクトしすぎていて、最初からかなわないと思っているような空気すら感じた。

 ここ最近は「ポスト内川」「ポスト松田宣」の育成が急務と聞くものの、候補となる選手の名前も挙がってこない。工藤監督、森ヘッドコーチに若手野手の現状について聞いてみると、両人とも「2~3年先を考えると、強い危機感を持っている」と口を揃えていた。内川は今年で37歳。松田宣が36歳。柳田の海外FAも来オフの話だ。彼ら3人がいなくなってからでは手遅れになる。

 王貞治球団会長が主力を張った巨人V9時代。その後、巨人は長嶋監督で最下位を経験するなど世代交代に苦しんだ。その原因はソフトバンクがいま抱えている問題と同じだ。

 ここ2年のドラフトは清宮(日本ハム)、安田(ロッテ)、小園(広島)、辰己(楽天)と野手の抽選に敗れて、結果的に1位は投手となった。資金力もあるだけに、野手に関してはFA、外国人補強を加味しての指名となり、そのシワ寄せが来ている点もあるのかもしれない。ただ、スカウト経験もある私の立場からいえば、野手は下位から育てるものでもある。

 この球団にはなぜか、支配下選手よりもチャンスが少ないはずの育成選手に成功例が多い。日本シリーズMVPの甲斐は育成ドラフトの6位だ。育成選手よりも素材的には上のはずの支配下の若手選手が出てこないのは「意識が低い」からだろう。それは育てる側の首脳陣にも問題がある。ソフトバンクのようなチームだからこそ、若手に「レギュラーを奪うんだ」というハングリー精神を植えつけ「意識の高い」選手を育てなければいけない。