ヤクルト・宮本ヘッドが明かす「考えが乏しいヤツが多い」の真意

2019年02月28日 16時30分

宮本ヘッド(左)と話す前田氏

【前田幸長 直球勝負】昨季セ・リーグ2位に躍進したヤクルトの“陰の立役者”は宮本慎也ヘッドコーチ(48)だろう。沖縄・浦添キャンプでは、連日ハードな練習をこなす選手のそばで常に厳しい目を光らせていた。本紙評論家の前田幸長氏が聞いた。

 就任2年目を迎えるツバメの参謀は、あいさつがてら「昨季の立役者だね」と口にした私に「そんなことないよ。何もしてないよ!」と謙遜しながら苦笑いを浮かべた。

 私と宮本コーチは同い年。だからお互いに気兼ねなく何かと突っ込んだ話もできる。まず昨季から春季キャンプのメニューが大幅に増え、12球団の中でも終了時間が一、二を争うぐらいに遅いとまでささやかれるようになった。そんな「地獄のキャンプ改革」について聞いてみると、やはり宮本コーチの頭の中にこびりついていたのは2017年シーズンで最下位に沈み、屈辱的な球団ワースト記録となった96敗という数字だった。

「ということは要するにチームが弱いから。ならば負けたんだから一番練習しなきゃアカンということでしょう。小川監督にそれを伝えて、練習メニューの作成を任せてもらった」

 もちろん今年も基本的にその方針は変えていない。ただ宮本コーチいわく「そんな夜遅くまで毎日毎日やっているわけじゃない。マスコミが大げさに書いているところもある」とのこと。それでも実際は午後8時ごろまで一軍メンバーの若い選手がバットを振り続けている日もあるというから、相変わらずすさまじい。

「去年は強いチーム以上に練習量をやった。だから2位という結果につながった。でも、それを楽観しているわけじゃない。去年ぬるかった部分がある」と“鬼コーチ”らしく現状に満足し切る様子はみじんも感じられない。

 そんな宮本コーチが特に不満げな表情を見せたのは「考えが乏しいヤツが多いんだよなあ」という言葉が出た時だった。

「プロ野球選手として、いいものを持っているのにそれが続かない。そういうヤツは大抵、平気で遅刻したり忘れ物をしたりする。すべてのルールを守れればいいんだけど、今の選手は野球は野球、私生活は私生活で変な区切りをつけて考え過ぎ。人としてしっかりした返事もできないんじゃダメでしょう。それで、ある若い選手に注意したこともあったよ」

 強調しておきたいのは一語一句に「愛情」がこもっている点だ。何としてでも強いツバメ軍団を復活させ、悲願のVをつかみたい。その思いがあるからこそ、あえて鬼になろうと宮本コーチは覚悟を固めている。