中日で張本勲氏(78=評論家)の発言が波紋を呼んでいる。現在、右肩の炎症でチームを離脱している松坂大輔投手(38)についての同氏の発言に、球団が不快感を示しているのだ。

 松坂のアクシデントが明らかになったのは11日のこと。ファンと接触した際に右腕を引かれ、右肩に違和感を訴えていることが球団から発表された。その後、病院で「右肩の炎症」と診断された松坂はキャンプ地を離れ、開幕は絶望的な状況となっている。

 ただ、右腕を引っ張った“犯人”や、事件が起きた日時などの詳細が公表されなかったことから「本当にそんな事故があったのか?」と勘ぐる声も…。それをズバリ“公共の電波”で流してしまったのが張本氏。「もともと悪かったんじゃないの」「握手とか引っ張られたぐらいでは悪くならないですよ」との同氏の発言により“疑惑”がネットを中心に広まることになってしまった。

 そんな状況に、チーム関係者は「ちょっとそれはないでしょ。そんな臆測で物を言われたらたまったものではない。世間から松坂が悪者になってしまう。張本さんに喝!ですよ」と声を大にした。

 別のチーム関係者は「正直、第1クールはブルペンも入らず、スローペースで調整していたので、チーム内でもひょっとしたら右肩の状態が良くないかもという声もなくはなかったけど、それをテレビで発言されてしまったらね。何かと球界の裏情報も知っている張本さんだけに、そうなんだと信じてしまう人もかなり多いはず」と困惑。

 さらに「『握手とか引っ張られたぐらいでは悪くならない。なるようじゃダメでしょ』とも言っていたけど、やっぱり身構えていないと、いきなり引かれたら、痛めてしまうことは当然あると思う。過去に門田さんとブーマーの一件もあったわけだしね」と、1989年にブーマーとのハイタッチで右肩を脱臼した、門田博光氏の例を引き合いに出した。

 もともと自由な発言で知られる張本氏だが…。松坂の名誉にもかかわる問題だけに、球団も看過できないということか。