右股関節手術からの完全復活を目指すソフトバンクのデニス・サファテ投手(37)が23日、宮崎キャンプで、若手中心のB組で打撃投手を務めた。

 昨年4月以来、約10か月ぶりの打者相手の投球で32球を投げ安打性の当たりは3本だった。直球の最速は144キロで「まだ、5割くらい。今日は投げられたことが一番の収穫。次のステップに進めることが確認できた」と汗を拭った。

 ドラフト3位・野村大樹内野手(18=早実)とも対戦。わずか5球の勝負だったが、2球目の真っすぐを右中間へきれいにはじき返された。登板後、助っ人は野村のもとへ歩み寄ると、肩に手を置き「ナイスバッティング! 完璧に打たれたよ」。

 気持ちが高揚したのには理由がある。2017年春の選抜高校野球大会。テレビ中継を見ながら、こうつぶやいたという。「清宮(現日本ハム)よりも、この4番バッターの方がいい選手じゃないか」。当時は早実・清宮フィーバーが巻き起こっていたが、その後ろを打つ野村に目を奪われ、才能にほれ込んだ。

 この日の帰り際、サファテは終始笑顔で語った。「野村は打席の中で雰囲気があったよ。そして、本当にいいスイングをしていた。MAXの状態ではなかったけど、簡単に打たせてたまるかという気持ちで投げていたんだけどね。彼が何か刺激を受けて感じてくれたらうれしい。彼はいいバッターになるよ」

 一流は一流を知るということか。サファテが見込んだ才能は、鷹の希望となりそうだ。