阪神・平田二軍監督 「今の時代に合わせ6秒怒りを我慢」

2019年02月14日 14時00分

スローガンを書いた色紙を手に、平田二軍監督が大いに語った

【核心直撃】熱いのは阪神・矢野燿大監督(50)率いる一軍キャンプだけではない。今季から高知・安芸での二軍春季キャンプを預かる平田勝男二軍監督(59)も、若手の底上げに燃えている。自身3度目の就任で、今や現場では唯一の1985年日本一戦士。そんなベテラン指揮官が目指す理想の選手像は…。本音を聞いた。

 ――今キャンプの手応えは

 平田監督 今年にかける意気込みを感じるよ。沖縄(一軍)には総勢43人が選ばれて、ここにいる選手は皆、なにくそ!と思っているんだから。2月に安芸でやったことが公式戦に生きているというキャンプにしたい。声も少人数の割に出ているから明るいよ。

 ――二軍監督は自身3度目の就任で異例だが…

 平田監督 おいおい、巨人の原さんも監督3度目だぞ。一、二軍の差はあるけど、オレも原さんが言っていた「私も新戦力」と言ってみたい(笑い)。以前、矢野監督が二軍監督に就任して「若い選手とやるのはいい経験になる。野球人生にプラスになる」という話をした際に「また(二軍監督を)自分もやってみたいなあ」と言ってたことを覚えてくれてたから実現した。ありがたいと思ってる。血が騒ぐよ。

 ――指導などに変化は

 平田監督 昔は「そんなんで一軍でメシが食えるか!」「一軍に行きたくないんか!」と厳しい言葉ばかり吐いたこともあった。プロは甘くないと言いたかったけど、もともと叱られたことがない選手が多い今の時代は難しい。感情をうまく制御する「アンガーマネジメント」とか知って、6秒怒りを我慢して対処するとかしてる。自分をコントロールできない指導者は選手も聞いてくれない。でも、褒めて育てるというと違う。人間はたまに褒められるからやりがいも感じ、うれしいと思う。考えてみ。エラーしても「また次がある。大丈夫」と毎度やさしく言われ続けても、結局オフにはクビ。親身になって叱るのとどっちが親切かと思ってる。そこは強弱をつけて信頼関係を築いていきたい。

 ――確かに今は選手の気質も変わってきている

 平田監督 おとなしいからな。オレらのころはむちゃくちゃ。安芸キャンプの話で言えば宿舎で夜、素振りしている時に先輩の川藤さん(現阪神OB会長)に「腹減ったから急いで屋台のラーメン屋捕まえてこい」と命じられてあちこち探した。やっと見つけてもラーメン屋の親父さんじゃ歩くのが遅いから、自分で屋台引いて(笑い)。その後も酒を飲まされてそのまま素振り…。また、雨で練習中止を望んでる先輩から「あの雨雲捕まえてこい」と大真面目に言われて。早朝から空に向かって大声で「こっちに来てください~」(笑い)。今やったら何かと言われるやろ。でも、それはそれでいい思い出と捉えられるのがオレらの時代。今の子はそうは思わんやろ。

 ――昨年の矢野二軍監督は「超積極的」がスローガンだった

 平田監督「(自分は)ブレークアウト(急伸するの意)」や。ブレークするスター選手が出てきてほしいし、育てたい。野球人口が減ってファンサービスも大事だけど、お客さんが見に行きたいと感じるスター。巨人には岡本、ヤクルトには山田(哲)ら看板選手はいるけど、打っても打たなくても目が離せない生え抜きスターの出現が急務。だからその思いを込めた。

 ――理想の選手像は

 平田監督 現役時代に一緒だった掛布さん(現阪神オーナー付シニアエグゼクティブアドバイザー)。掛布さん以来、生え抜きで本塁打王はいないし…。打っても打たなくても、エラーしても新聞は常に1面、4打数4安打でも9回サヨナラのチャンスに三振すれば叩かれる、そんな責任を丸々背負っている選手、他球団にも今いない。ウチは生え抜きが育たないとか言われるけど、そんなスターが出てこんと。

 ――その掛布さんも二軍監督からフロント入りし、平田監督が1985年日本一のV戦士でただ一人のユニホーム組となった

 平田監督 使命感がある。オレぐらい残っとかないととの思いと、代表して頑張りたい思いがある。阪神が好きなんよ。暗黒時代とか阪神の悪口言われたら今でも腹立つ。でも、魅力は何やろ。今でも分からんな(笑い)。