復活への道は同級生の“平成の怪物”と似たようなルートをたどることになりそうだ。左肩痛で昨季は一軍登板なしに終わったソフトバンクの和田毅投手(37)が6日、およそ9か月ぶりにブルペン投球を行い、実戦復帰への大きな第1歩を踏み出した。捕手は立ったままで28球。「マウンドで投げられたことがステップアップ。明日の状態を確認してになるけど大丈夫だと思う。嫌な感じはもうない」と明るい表情を見せた。復活への青写真も「しっかりと下(半身)で投げられる形をつくり(キャンプ)中盤以降に捕手を座らせられるようにしたい」と言う。

 巨大戦力を誇るソフトバンクでは先発枠争いもシ烈だ。仮に実戦で投げられる状態になっても入り込む余地は限られる。ただ、チームスタッフが「和田は勝率の高い投手。それに左の先発はうちに少ない。最終目標はローテ入りだろうが、そうじゃなくても十分にチームの戦力になる」と力説するように、和田の実績と存在感は別格だ。森ヘッドコーチは「焦らせるつもりはない。(最初は)中10日、中10日でいい。実績のある左腕。(相性などで)相手チームに合わせてとか、そういうのもあるかもしれない」と話す。

 ソフトバンクでの在籍3年間は未勝利だった松坂が、中日に移籍した昨季は体の状態や相性などを見ながら間隔を空けて登板し、6勝を挙げてカムバック賞に輝いた。チーム内には「それこそ去年の松坂のように、2度投げて2週間空けるとか、肩やヒジの状態を見てやっていってもいいと思う」の声もある。

 和田自身も松坂の復活劇には「ああいう肩のケガから投げられるのを見せてもらった。勇気づけられた」と刺激を受けている。日本球界に復帰した2016年は15勝5敗で最多勝と最高勝率のタイトルをつかみ、17年は左ヒジの故障に泣いたが4勝無敗だった。“負けない左腕”への期待は大きい。