まさかのリタイアだ。新天地でのキャンプを順調に滑り出した広島・長野久義外野手(34)の信じられないニュースが飛び込んできた。第2クールも元気な姿を見せているが、本紙が今回キャッチしたのは第1クール最終日に開かれたある会合での一幕だ。参加者も思わず目を疑った長野の衝撃行動をリポート――。

 宮崎・日南キャンプは5日から第2クールに突入。長野は野手本隊を離れて鈴木と別メニュー調整となったが、これは首脳陣の配慮でパンク回避のため。ランチ特打では柵越えを放つなど、相変わらず体はよく動いている。

 とはいえ右も左も分からない中で迎えた第1クールの疲れは相当なものだったようだ。クール最終日の3日夜には総勢約30人による歓迎会が市内の焼き肉店で開かれたのだが、そこで長野は予想外の行動に出ていた。なんと、1次会で“リタイア”。2次会参加をキャンセルして部屋に戻ったというのだ。いったい、何があったのか…。

 参加メンバーによると歓迎会の模様はこうだ。まず冒頭にあいさつを求められた長野だが、目の前のテーブルにはすでにハイボールのジョッキが4、5杯ズラリ並んでいたという。この日の主役はそれを瞬く間に空にすると「リーグ4連覇、日本一を目指して頑張っていきましょう!」と声を張り上げ、テンションの高い会が幕を開けた。

 その後はメンバーによる手荒い歓迎の嵐。ただ長野が「酒がメッチャ強いのでビビッています」と警戒していた石原による“洗礼”だったわけではなかったようだ。チーム最年長のベテラン捕手は「俺じゃないって」と笑い「若いヤツらにやられていたよ」と証言。どうやら後輩たちの自己紹介に次ぐ自己紹介に、ジョッキを手に果敢に立ち向かっていたようだ。

 ただ会も終盤になると長野に“異変”が表れたという。「人から聞いていた“チョーさんが酔っ払ったときのサイン”が出始めたんです。酔うと周囲の人の頭をポンポンしたり、ボディータッチが多くなるそうなんですが、それをやり始めたので『あ、酔っているな』と」(参加した選手)

 すると間もなく長野は席を立ち、ひっそり宿舎へ戻ってしまったという。気づいた後輩数人が部屋まで訪ねて「2次会行きましょうよ!」とドアを叩くも、なしのつぶてだったそうだ。

 長野がキャンプ中の休前日の夜を1次会だけで終えたことは、本紙が知る限りプロ入り初。おそらく巨人関係者が聞いても誰も信じないだろう。拍子抜けしたメンバーからは「とんでもない酒豪と聞いていたので『アレ?』ってなりました」との声もあった。ただ石原は「気を張ってやっているから疲れているんでしょ」と優しいひと言。安部も「飲み方はきれいでさすがでしたよ」とフォローしていた。

 それでも気遣いの男ぶりは相変わらずだ。カープの歓迎会直前には、同じ日南市内で西武投手陣による内海の歓迎会が開催されているとの情報をキャッチ。その場に単身飛び込んで「長野と申します。これから内海さんをよろしくお願いします!」と西武の面々にあいさつする先輩思いの一面も見せている。

 心も体も疲れていたのは間違いないが、今回の“1次会リタイア”も見方を変えればそれだけ長野が本業に集中している証拠でもある。「新しい野球を知るのは楽しい」という言葉は、どうやら本当だ。