ソフトバンク宮崎春季キャンプ(生目の森運動公園)初日の1日、王貞治球団会長(78)もハッスル始動した。チームは走塁意識の向上と故障予防の観点からハードなランニングメニューを実施。両足をつる選手も続出するなど「走るキャンプ」に多くの選手が音を上げる中、ナインの姿に感化されたのが王会長だった。

 屋外で走り込む選手の動きをチェックし終わると、人知れず屋内施設へ移動。「あれだけ走っている選手たちを見ると、ついね。体が(勝手に)動いてしまうんだよ」と、軽いストレッチ後に20メートルの距離を全力疾走。来年傘寿を迎えるとは思えないスピードで、息が上がるほどの負荷をかけて5本繰り返した。チームは第2クールまで強化メニューを継続する。王会長は「よしっ! 明日は6本やろうかな」と、こちらも意欲的だった。

「今年は何が何でもペナントから日本一まで、取れるものは全部取るんだ、という工藤監督の気持ちが選手にも伝わっているんじゃないかな」と目を細めた王会長。現場の「熱」を感じた根っからの野球人は、完全制覇を目指すシーズンをチームとともに歩み出した。