黄金ルーキーがまさかのリタイアだ。中日のドラフト1位・根尾昂内野手(18=大阪桐蔭)が23日、ナゴヤ球場での合同自主トレーニング中に右ふくらはぎに強い張りを発症し、一部練習を切り上げた。一軍春季キャンプが決定していた中、けがの状態次第では二軍スタートもあり得る状況となってしまった。

 この日、ウオーミングアップから始まりベースランニング、キャッチボール、ノックまで参加した根尾だが、途中から何度も右足を気にするそぶりを見せたため、その後のダッシュ、室内での打撃メニューを回避。球場内でトレーナーから治療を受けた後、病院で検査を受けた。

 球団内では原因は全力で練習のしすぎだともっぱらだ。球団関係者は「ほかの新人がうまく練習を流していても、注目されている根尾はどんな時も絶対に手を抜かない。キャッチボールでもダッシュでも常に周囲の目を意識しながら全力でやっている」と指摘。

 これまで合同自主トレ後も寮を出て「必ず毎日、夜間練習を欠かさず、相当打ち込んでいる。新人6選手の中で一番やっているのは間違いない。そうなるといくら身体能力が高い根尾でも疲労がたまってしまって、けがにつながってしまったと思う。今日だって本人は『大丈夫です』と言い張って周囲が止めなければ、あのまま練習を最後まで続けようとしていた。今後も誰かが止めないといけない」(同)と警鐘を鳴らす。

 しかし、別の関係者はこれで良かったともいう。「キャンプ前の自主トレの段階でけがをしてしまうなんて一番やってはいけないこと。だけど、これまでの高校生とは違ってプロは朝から晩まで野球漬けの日々だから、どれだけやれば、けがをしてしまうのか、自分の限界がある程度分かったはず。これがキャンプ前で良かった」

 頭がいいとされる根尾だけに転んでもただで起きることはなさそうだが…。