ソフトバンク・長谷川勇也外野手(34)がレギュラー奪取を誓い、トレーニングに励んでいる。
 2013年に198安打をマークした安打製造機は近年、右足首の故障に悩まされ出場機会が激減。昨季も代打での起用が多く、現状では「代打業」が主戦場となりつつある状況だ。
 今オフは福岡・筑後市のファーム施設を拠点に自主トレを行っている。20日もマシン打撃だけで約1時間の振り込みを行うなど精力的だった。若手選手で埋まった室内での練習では、異彩を放つように私語もなければ笑顔も見せず、一人黙々と汗を流した。長谷川勇の今季のテーマは「実力で他者を凌駕する」。代打業に“老け込む”気はさらさらなく「今はガンガン打ちまくるためのバッティング練習をやっている」と前だけを向いている。

 メジャー同様、近年はNPBでもベテランへの評価が厳しさを増している。ソフトバンクも例外ではない。昨季限りで本多、摂津が引退するなど実績組が多くチームを去った。球団が明確な方針として、30代の選手にシビアな目を向けているのは事実だ。若手の模範、指導役といったベテランの付加価値が評価される時代ではなく、実力至上主義の傾向がより顕著になっている。

 長谷川勇にとってもネガティブな傾向だが、本人に異論はない。「年齢は関係ない。使う側の人間が『これはさすがに使わざるを得ないよな』と思う結果を残せばいいだけ。分かりやすい話」と技術屋のプライドをかけて圧倒的な実力を証明し、球界の流れにあらがうつもりだ。「自分に期待してますよ」と笑う長谷川勇は、逆風をはね返せるか。