原巨人 打倒カープを掲げず

2019年01月19日 16時30分

スタッフ会議に臨んだ原監督(中)

 巨人は18日、東京都内のホテルでスタッフミーティングを開催した。原辰徳監督(60)や全コーチ陣、球団首脳らが今季のチーム方針などを確認したが、昨季までと大きく変化したのは「打倒・広島」を“封印”したことだ。その背景には何があったのか――。

 約4時間の会議を終え、報道陣に対応した原監督は「非常に緊張感のある中、いよいよ2019年がスタートする。この組織、この人数で我々は大きな役割を持って大きな目標に向かっていく。その意思確認」と総括した。

 ただ、昨季までと異なったのは球団を挙げて「打倒・広島」を掲げなかった点だ。リーグ3連覇中の広島について問われた原監督は「相手を見るというよりは自分のチームを、どう戦う軍にするか。それが一番の私の作業」「まずは私自身も含めてジャイアンツというチームをしっかりつくる。選手たちも戦うチームをつくっていくということ」と繰り返し強調。山口オーナーも自軍に関する話に終始した。

 巨人は4年連続V逸し、広島には昨季も7勝17敗1引き分けと大苦戦を強いられた。挑戦者の立場からすれば、王者に“追いつけ追い越せ”となるのが自然の流れだが、あえて標榜しなかったのはなぜなのか。

 一つは広島からFA移籍した丸の存在だ。丸の獲得により、昨季巨人戦で打率3割6分、8本塁打、22打点、出塁率5割2分とメッタ打ちにされた宿敵を引き入れ、広島の戦力を大きく削った。それだけではない。吉村打撃総合コーチが「私らも聞きたいし、選手にも伝えてほしい。それはもう最大限、プラスになる」と前のめりになったように、巨人サイドは丸が握る広島の“内部情報”の収集に躍起だ。

 別のコーチからは「丸を情報源にすればいい。毎年、ウチがカープにやられてきた原因をはっきりできる。たとえば、チーム全体でどんな戦略を立てていたのか、ウチの投手のどんなクセが盗まれていたのか…。カープの中心にいた選手しか知らない情報やデータが絶対にあるはず。反対に、広島の弱点も握っているはずで、こちらとしては攻略の糸口にもなる。丸を獲れたことは戦力として大きいけど、丸が持っている情報にはそれ以上の価値があるはずだよ」と、丸をフル活用すべきと説いた。

 また、そもそも原監督自身に広島への苦手意識が希薄な点もある。過去、指揮を執った12シーズンで広島は優勝どころかAクラス入りも3位だった13、14年の2度だけ。以前には「(昔の広島が)強かったというイメージはまったくなかった」と笑い飛ばしていたほどだ。これについて、チームスタッフは「監督がそのスタンスでいれば“カープアレルギー”がある選手たちも必要以上に力むこともないでしょう。そういうことも見越してのことかもしれません」と読み解いた。

 監督をはじめ首脳陣の顔ぶれも一新した原巨人。心機一転、5年ぶりのV奪回へ突き進む。