6年連続Bクラスからの脱却を狙う中日・与田剛監督(53)が新制度を有効活用するつもりだ。

 今季から一軍公式戦に出場できる「出場選手登録」の人数が1人増えて29人に拡大。ベンチ入り人数は25人のまま変わらないが、一軍枠が広がれば、登録抹消せずに柔軟に試合ごとに選手の出場機会を増やすことが可能となる。

 その1枠の恩恵を最も受けそうなのが松坂大輔投手(38)だ。昨季は6勝を挙げたが、手術した右肩を配慮し、中6日で投げたのは一度だけで、基本的には中10日以上の間隔を空ける“投げ抹消”を繰り返した。しかし、新制度では中6日での登板が厳しくても、わざわざ抹消することなく中7日や中8日などのローテで回ることができる。

 松坂の起用法について与田監督は「現状は中6日で考えている」と今年は“特別扱い”をしない方針でいるが「それがかなわなければどうするか。去年までそういう状況でやってきて、いきなり中6日というのはね。僕も理想で話しているけど、簡単でないのは分かっている。アメリカでどういうけがをしたのかも知っているし、それで大輔を焦らせたくない」と本心もポロリ。

 先発陣はあくまで中6日が指揮官の理想も、この新制度があれば松坂、山井、吉見といったベテラン陣を登録抹消することなく、中8日などで回せることは大きなメリットになりそうだ。現時点ではこの1枠を使用するのが投手か、野手かは決めておらず「長い時間、一軍のゲームで使えなくなるような1枠には絶対したくない」と話すものの“松坂枠”として切り札となるか。