日本ハムのドラフト1位ルーキー・吉田輝星投手(17=金足農)に、中田軍団入り指令だ。これまでことあるごとに「日本ハムでは中田翔選手と話してみたい」と“中田愛”を語っていた吉田輝だが、これに母校・金足農のOBが呼応。吉田輝にプロ野球選手としてのイロハを叩き込んでもらえるよう、中田サイドにも異例のお願いが飛び出した。

 新人合同自主トレ2日目となった10日、吉田輝は午前中のメニューで坂道ダッシュを10本。それでも「秋田で結構走り込んできたので大したことないです」とケロリとした表情で語ると、午後に行った身体測定では、尻回りが自身最高の104センチを記録した。11日のNPB研修については「(他球団の同期らに)太ったことをいじられたので、痩せてる姿を自慢したいです」と笑顔で語った。

 そんな吉田輝に、母校・金足農のあるOBは「やっぱり最初は心配だよね。吉田は仲間内では素を出すけど、東北人特有の人見知りな一面もある。U18でも最初は大阪桐蔭の子たちに引け目を感じてなかなか打ち解けられなかったと聞くし、相手がプロとなるとなおさら。本人も甲子園でついたクールなイメージを崩したくないみたいだし、田舎出身を気にして斜に構えてしまわないか」とその身を案じている。

 その上で「いっそのことイジられキャラに転身したほうが本人のため。去年の清宮くんも注目度が高かったけど、入ってみたら本人の性格で先輩からかわいがられている。日本ハムは中田や杉谷みたいにイジったりイジられたりの関係性で仲良くやってるイメージだし、先輩方には遠慮なくどんどん田舎者イジリをしてほしい」と異例のお願いまで飛び出した。

 そのなかでも特に気に入られるべき相手としてOBが挙げるのが、昨季主将を務めた中田だ。金足農でチームメートだった打川や大友が大の中田ファンということもあり、これまでもことあるごとに「日本ハムで話してみたい選手は中田翔さん」と口にするなど、自身も中田への弟子入り志願を熱望している。

 前出のOBは「侍ジャパンの4番も務めた、球界を代表する選手。先輩との付き合い方やお金の使い方、学ぶところはたくさんある。プロ野球選手とは何たるものかを教わるには絶好の機会。中田に気に入られるのが日本ハムで打ち解ける一番の近道だというし、もともとヤンチャな性格も合うのでは」と中田軍団入りを強く勧めている。

 毎年、広島の中田家で行われる若手交流会“中田会”では杉谷や石川ら若手に限らず、外国人のレアード、他球団の広島・菊池ら幅広い選手が交流している。鍵谷や有原ら投手陣も参加しており、かつては現エンゼルスの大谷も参加するなど、一流選手に教えを請えるまたとない機会でもある。まずは中田に気に入られ、そこから球界の人脈を広げていくべしというのだ。

 いよいよ始まった吉田輝のプロ生活。まずは自らの殻を破りイジられ役に徹することができるか、注目だ。