広島・鈴木清明球団本部長(64)は7日、巨人にFA移籍した丸佳浩外野手(29)の人的補償として長野久義外野手(34)を選択した理由を「リストで一番いい選手。野手と投手を含めて若手も見た中で長野が数年は輝いてくれるかなと。精査しながら最終的に決めた」と説明した。

 過去には2007年オフに阪神へFA移籍した新井の人的補償として当時25歳の赤松を獲得し、13年オフは巨人入りした大竹の人的補償として同22歳の一岡を指名するなど、若手の有望株にスポットを当ててきた。

 しかし今回、34歳の長野を選んだのは常勝軍団を継続させることが目的。巨人在籍9年間のうち7年で130試合以上に出場している実績はもちろん、チーム内でも以前から「年齢の高い選手でも、1年だけ使ってみようかとなるかもしれない」という声があった。リーグ4連覇と35年ぶりの日本一達成のためには、たとえ年俸2億2000万円(推定)、国内および海外FA権を取得済みでも補強ポイントと一致すれば迷うことがなかったというわけだ。

 長野の人間性を評価する声も多かった。この日、球場を訪れた鈴木誠也外野手(24)は「高校生のころからずっとテレビで見ていてすごいなと思っていた選手。プロになって会って感動した。すごくいい人で優しい方」と証言。チーム関係者も「長野は人柄がよくて面倒見がいいと聞いたので、後輩たちにも慕われるのでは。新井とはまた雰囲気も違うだろうが、年長選手を中心にチームが一つにまとまってくれたら」と期待した。

 気になる背番号は「5」か「9」になる見込み。巨人を支えた功労者の加入は、緒方カープにどのような変化を起こすのか。