中日・与田剛新監督(53)が“新星野流”で8年ぶりとなるリーグ優勝を誓った。

 4日、名古屋市内で行われた球団の年賀式に出席し、白井オーナーら関係者約150人の前で「誰に何と言われようと優勝の2文字を目指して戦っていきたい。ユニホームを脱がされるまで必死に、這いつくばって宝物であるチームスタッフ、選手と束になって向かっていきたい」と決意表明した。

 6年連続Bクラスからのチーム再建を託されながら、新人6選手を除けば、実質補強なし。苦戦は必至の状況だが「僕の立場としては与えてもらった戦力で戦っていく」と前向きに話す指揮官が意識しているのは“恩師”だ。

 ちょうど1年前のこの日、元中日監督の星野仙一氏が亡くなった。与田監督にとって、中日入団時の監督であり、楽天監督時代にはコーチとして呼んでもらった。その際、熱血漢で中日監督時代は鉄拳制裁も辞さなかった恩師から「与田、遠慮なくやれ!」と言われ「じゃあ、星野流でいいですか」と返答すると「今の時代はそれはあかんぞ!」と本人からダメ出しされていたという。

 恩師との思い出について「怒られたイメージしかない。とにかくほめてもらったことはほとんどないぐらい」と言いつつも「すごくいろんなことを教えてもらった。一番僕たちが教わったのは愛情。常々選手やファンに対する愛情をすごく持っていたので受け継いだものは大事にしていきたい」ときっぱり。

 その上で「僕の色を何か出そうなんてまったく思ってない。星野さんは結構、選手にも暴れる人だったけど、今は言葉できちんと説明してあげることが大事。叱り方は星野流じゃなく、やさしくやります」。今季の与田竜は鉄拳制裁を封印しつつもたっぷりと愛情を引き継いだ新星野流で優勝を目指す。