オリックスが日本ハムに移籍した金子に戦々恐々としている。金子は14年間在籍したオリックスを今オフに退団。自由契約選手の公示から2日後にまさかの同一リーグの日本ハムにスピード移籍した。さらに登録名を千尋から弌大(読みはちひろのまま)に改名し、心機一転を図った。

 金子の一連の動きに球団内でも「うちであれだけ時間をかけて交渉していたのに辞めた途端に行動が早かった。名前も何と読むのかわからないような漢字に変えているし、びっくりした。相当な覚悟を持っているはず。やりにくい相手になりそうだ」(球団関係者)と警戒心を強める。日本ハム戦は来季の開幕カード(3月29~31日=札幌ドーム)だけになおさらだ。

 近年、オリックスから他球団に移籍した選手は大引(日本ハム)、坂口(ヤクルト)、伊藤(DeNA)といずれも主力としてチームをけん引していることでチーム関係者は「坂口なんかセで首位打者争いをするんだから、なんでウチは出したんだって思われても仕方ない」とバツが悪そうにこぼす。

 金子についても「4年前にFAで引き留めていたときも『ヨソに行かれて活躍されてはたまらない』というトップの思いが強かったからあれだけの大型契約になった。環境が変わればまだまだやれるでしょう。金子はケガでよくない年といい年の周期があるし、17年が12勝で18年は4勝。ということは…」と不安がる声も出ている。

 契約交渉では減額制限を越える5億円ダウンの年俸1億円を提示されての決裂、退団だけに金子もじくじたる思いがあるはず。なんとも不気味な存在になりそうだが、オリックスも絶対に負けるわけにはいかない。