お待たせしました。東スポ野球担当記者が独断で選ぶ「プロ野球大将2018」の発表です。19回目を迎える同賞は本業での成績とは無関係に、本紙を通じていかに話題を振りまいたかが選考の決め手になります。注目のMVPに輝いたのは、日本球界復帰4年目にして復活を遂げた中日・松坂大輔投手(38)です。今季は4月末に国内12年ぶりの勝利を挙げるなど6勝をマーク。怪物健在をアピールしました。背番号18で臨む来季もバリバリと投げてほしいものです。

 MVPは初受賞ながら部門賞では何度も名前は挙がっていた。ただ、直近ではソフトバンク入団1年目の2015年は「リハビリ大将」、シーズン終盤に1試合だけ登板した16年は「大炎上大将」。その冠が示すように、かつての輝きを失っていた。プロ入り時に西武のコーチだった森監督(現シニアディレクター)、兄貴分の友利編成部国際渉外担当のツテを頼っての中日入りも“話題づくり”との見方がもっぱらだった。

 それが、どうだ。確かに春季キャンプ中はグッズの売り上げやサイン会の行列など人気面の話題が先行したが、4月5日の巨人戦で5回3失点とまずまずの投球を披露。その後は“投げ抹消”ながらコンスタントに登板し、同30日のDeNA戦で国内では4241日ぶりに勝利投手となった。

 計6つの白星以上の波及効果もあった。今季の中日は松坂効果で観客動員も前年比8・3%増。大観衆の前で投げる“平成の怪物”の姿は他の選手たちにも刺激になったようで、登板日後の試合でチームは9連勝を含む10勝1敗と無類の強さを誇った。

 5月20日の阪神戦ではプロ20年目で初となるマルチ安打をマーク。お立ち台では「バッティングを期待されて獲ってもらったので」と笑いを誘った。自らの勝ち星を救援失敗で消した新人の鈴木博を「どんまいける」と10年以上前のギャグで慰め“滑った”ことでも話題を呼んだ。若手からは使用している香水まで注目されるなど、いつでもチームの中心にいた。

 背番号も99から背負い慣れた18に変わる。もうひと花もふた花も咲かせてもらいたいものだ。