補強できたといっても実際は…。最下位からの巻き返しに燃える阪神が来季、先発投手陣の“偏食ローテ”に頭を痛めることになりそうだ。

 26日、矢野監督は新加入した前中日のオネルキ・ガルシア投手(29)に初めて言及。「今年13勝している投手で(戦力的に)大きい。他の外国人投手と違って日本の野球を経験してると計算が立つ。あとは左ということで巨人、広島も気になる大きな存在になると思う」と期待した。ガルシアの強みは2桁白星を挙げたことよりも今季、阪神が大の苦手にしていた広島に3勝、巨人にも3勝をマークしたこと。FAで同じく加入する西に続く大きな補強となったわけだが、「心配」の声がないわけでもない。

 ある首脳陣は「ガルシアの存在は大きいけど典型的なドーム型の投手。ウチの甲子園を始め、屋外の球場は苦手なのか、結構打ち込まれているのが気になる。どこで投げさせるとかは気にする必要はあるかも」と不安視する。確かにガルシアの球場別防御率は東京ドーム0・56、ナゴヤドーム2・20と数字はいいが、横浜スタジアム、神宮球場はともに3・86とダウン。さらにマツダスタジアムでは5・40と大きく下がり、こと甲子園に限っては7・20とボロボロだ。

 来日2年目のガルシアへのフォローは当然必要になるが、さらに先発ローテーションのやりくりも難しくなる。厄介なのは他の先発陣も“偏食傾向”にあること。例えばメッセンジャーは防御率7・20と神宮は大の苦手で横浜では防御率0・60、4勝も挙げている。岩貞、藤浪は広島を大の苦手としているなど、どれも好き嫌いがハッキリしている。それだけに、来季のV奪回を目指す矢野監督とすれば先発ローテーションで頭を痛めることは必至なのだ。

「甲子園の大観衆の前での登板が楽しみ」と言うガルシアがいないよりはマシなのは確かだが、果たして…。