巨人・長野 明日は我が身 内海流出ショックに巨人しんみり

2018年12月22日 16時30分

契約更改を終えて会見に臨んだ長野

 巨人にしんみりムードが広がっている――。長野久義外野手(34)が21日、都内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、3000万円増の2億2000万円でサインした。ただ年俸アップにも背番号7に笑顔はない。会見で口を突いて出たのは、人的補償により西武へ移籍した兄貴分・内海哲也投手(36)への思いだった。とはいえ、今は選手の誰もが明日は我が身。残る広島の選択に球団内は戦々恐々だ。

 会見場には口を真一文字に結んで現れた。うれしいはずのアップ評価にも、長野は白い歯を見せず「満足するシーズンではなかったし、個人的なことよりチームが4年連続で優勝を逃していることが悔しい」と唇をかんだ。

 今季は規定打席に未到達ながら116試合で打率2割9分、13本塁打、52打点。入団から9年連続で2桁本塁打をマークした。8月末に故障で登録抹消。実際は脇腹肉離れの重症だったが、9月中旬に驚異的なスピードで復帰すると、クライマックスシリーズ進出を争っていた9月28日のDeNA戦(東京ドーム)でサヨナラ弾を放つなど、勝負強さを随所に発揮した。

 だが10年目となる来季の立場は安泰ではない。外野に丸という強力なライバルが加入。それでも「本当にすごい選手なので、チームに加わってくれるのはプラスになると思うし、優勝を目指して一緒に頑張りたい」と加入を歓迎し、共闘を呼びかけた。

 そんな長野が思わず声を詰まらせたのは、前日に人的補償として内海が西武へ移籍したことについて、心境を聞かれたときだった。視線をやや下に落とし「とても寂しいのひと言です」とポツリ。内海が「長野や坂本と対戦したい」と話していることを伝えられると「交流戦や日本シリーズで当たる機会があればコテンパンに打ちたいと思います」と応じたが、すぐに「でも、やっぱり寂しいですね…」と続け、複雑な表情を浮かべた。内海本人とは電話で連絡を取ったといい「後輩なので明るく話されていましたけれど、僕の方がちょっと…」。それ以上は言葉が続かなかった。

 ただ、そんな長野も内海と同じ道をたどる可能性があるのが今オフの巨人の怖さ。まだ丸の獲得に伴う広島への人的補償は片付いていない。両球団へのプロテクトリスト提出後、石井球団社長は「誰を獲るのかな。長野かな?」と、冗談とも本気ともつかないセリフを残していた。内海を外していたことを察すれば、同等クラスのベテラン陣がプロテクト外となっている可能性も十分ある。

 内海流出のショックは選手間だけではなく、球団内にも広がっている。巨人関係者は「今さらですが、職員の中でも『本当に良かったのか』という空気が流れています。広島にも名前のある生え抜きを獲られるようだと、さすがに混乱は避けられないでしょう」。

 内海への惜別の念にかられつつ、巨人の眠れない夜はまだ続く。(金額は推定)