中日・大野雄大投手(30)が早くも猛ピッチで調整している。新球チェンジアップの習得を目指すなど来季への巻き返しに必死だ。

 19日はナゴヤ球場の屋内練習場で異例のブルペン入り。精力的に37球を投げ「(プロ8年目にして)この時期に初めてブルペンに入った。いつも年明けの15日以降、20日ぐらいだったけど(キャンプインして)2月3日か4日には紅白戦で投げるし、今年の成績のこともある。のんびり年明けにブルペンなんてことをやってられない」と悲壮感を漂わせる。

 2013年から3年連続で2桁勝利をマークし、開幕投手を務めるなど竜のエース左腕と呼ばれたが、近年は低迷。今季はわずか6試合の登板で、新人以来となる屈辱の未勝利に終わった。「アピールしないといけない立場。紅白戦でも、ただ単に投げられましたでは意味がない。しっかり結果を求めていかないといけない」と崖っ縁を自覚している。

 復活のため、新任の門倉二軍投手コーチに伝授されたチェンジアップの完全習得に取り組んでいる。これまでのチェンジアップは指を縫い目に沿わせただけだが、“門倉式”はフォークのように深く覆いかぶせるのが特徴。「深く挟む分、落差が全然違う」と手応えを感じている。

 一方で「変化球を1個覚えると、真っすぐが悪くなったり、切れがなくなったり、コントロールが悪くなったりするケースもある。これが実戦に行ったら変わってしまうこともあるんで」と気を引き締めることを忘れない。
 今オフは「ウエートをガツガツやっている」と肉体改造にも取り組んでおり、来季は“ニュー大野雄”として何としても結果を残す。